感覚が違うんだ!・・・その2

昨日、商売の在り方で「感覚が違うんだ!」というお話をしました。

はんこ屋さんの多くが、会社への外交という営業活動を仕事の中核においておられ、小売業としての感覚や経営論理が当てはまらないという私にとってのビックリ!話をしました。

 

扱っている商品においては、どうでしょうか?

デジタルガバメントの資料を読んでいると、印章を失くしていこうとするグループの論理の一つに、印章の製造方法や製造過程において、他の印章との識別をするということへの疑問が挙げられていました。

それは、その通りだと思います。

私のハンコと親戚の同姓のおじさんのハンコの印面が同じ・・・違う店で購入したはずなのに・・・同じ印面???・・・印章の信頼性が揺らいで当然かとも思います。

その理由については、同業者なら理解しておられると思いますが、ここでは論旨からはずれるので、深くは追求致しません。

胸に手を当てての自省が必要かなと思います。

そうでなかっても、同じような印章を同じような経営論理で販売している。

個性あるはずの印章が、個性なきモノに変容されている。

以前からお話していることですが、印章は一本一本が創作でなければなりません。

そういう意味では、絵画と同じです。

今流行りの消しゴムはんこも、その創作性を楽しんでいるということでは、実用印や登録印とは違いますが、創作性という共通項で結ばれています。

単に同じように捺すということではなく、その本質が同じなのです。

そういう意味では、浸透印とは違う共通性です。

 

話は逸れましたが、絵画では、様々な主義や流派に分かれています。

いわゆる絵画に関しての考え方の違い、思想の違いから絵画そのものの画風が異なってきます。

これは、実に分かり易く見る者へ伝わってくる醍醐味であります。

写実主義、ロマン主義、新古典主義、ロココ美術、バロック美術、形而上派・・・・

日本画においても狩野派、土佐派、琳派・・・・

ピカソの絵と、ラファエロの絵、元信と歌麿、北斎の違いを楽しめるものです。

ところが、篆刻と称されている芸術作品には、様々な流派や考え方の違いからその表情に多様性を認めるところでありますが、書道と同様に専門性が高すぎて、素人さんにはわかりにくく楽しめる情報が少ないようにも思えますが、実用印章よりはバラエティーがあるものです。

実用印章の違いは、分かりにくいを通り越して、どれも同じに見えるという大きな弱点を有しています。

デジタルガバメント時代です。

嘗てなら、制度や登録という恩恵に守られて、今まで通りで良かったのですが、デジタルガバメント問題が予測どおりに発生してきた現在、もはやそれでは既製の認印も銀行印も実印でさえ、同列の用無しとなる日は近いと思います。

そして、それは歴史の上に同じような印面としてしか残りません。

暮らしを支えてきたはずの印章が、暮らしから人から見向きもされないし、記憶にも残らない日がもう目の前です。

 

私の祝賀会で、恩師のT先生が右手を叩きながら、「ん!デジタルガバメント・・・そんなもん、怖くあるか!」腕や技術やとデジタルガバメントで当惑している講習生と話していました。

私も横から、私はサウスポーですので、左手を叩きながら、「私もそう思う」と久しぶりの共感を頂きました。

先生有難うございました。

 

 

 

 

posted: 2018年 2月 23日