第2回技能検定対策講座at名古屋

昨日は名古屋に行ってきました。

愛知県印章会館の2階に集まられた20名の技能検定受検対策講座の参加者の技術を希求する熱い心に触れ、暑さなど吹き飛んだ一日でした。

一番に会場に入って来られた女性の『印章教科書』を見て驚きました。

『印章教科書』の大きさはA5です。

なんとA4の大きさに加工されて持参されました。(写真)

「教科書を読もうと思っても、文字が小さいのでやる気が出ない。思いきって大きくしました」と笑っておられました。

その熱意にまず感動しました。

コロナ環境を考慮して時間が短い講習ですが、時が経つのも忘れて集中されていました。

ある参加者は、お店に戻り教えてもらったことを従業員に教えましたので、その印稿を見てくださいと持参されていました。

講座の定員が20名でありましいたので、その方は検定も定員があり受検できないと思われていたようで、2名の方の受検が増えました。

印稿の宿題も数多く書いてこられた方が数人おられました。

講師の先生方も参考の印稿を書いてこられていました。

何かと自分の中に大きな刺激を頂けた名古屋行きでした。

8月は私用があり参加できませんが、9月にまた名古屋に行ける事を楽しみにしております。

9月は受検の申請受け付けもあり、スタッフのみなさんも30年ぶりの検定に緊張と感動を隠しきれないようです。

 

 

posted: 2021年 7月 26日

いらないハンコなど何もない

「いらないモノなど何もない」・・・5年前にブログ記事にしていた題名です。

 

「いらないハンコなど何もない」とも思います。

 

リモートワークの邪魔者とされ、その後大臣の「押印廃止」の号令により、国策として強行されました。

 

当時、業界人さえデジタル推進に賛同され、無駄なハンコはなくして、デジタルと共存していくとまで述べられました。

 

無駄なハンコって何なのでしょうか?

 

今まで無駄なハンコを販売していたのでしょうか?

 

今や、デジタル推進側の思う通りの状況となり、あれだけ声高に世論の後押しも得て支持されていた婚姻届けの押印も不要になる方向(9月1日より戸籍法施行規則の一部を改正する省令として施行されます)と聞き及んでいます。

 

デジタル化の状況は、ワクチン予約や数字の集約など様々なところで未熟さを露呈していますが、押印廃止の各分野での進行は止まるところを知らない状況と言って過言ではありません。

 

足の小指くらい(認印くらい)とおもっていた痛みが、今!体全体に感じておられる方はとても多いと思いますし、これは印章業界の問題のみではなく、伝統や継承を重んじている日本的霊性にとっても、日本文化崩壊の道しるべとならないことを願いたいものです。

 

※5年前のブログ⇒https://ameblo.jp/kiann1213/entry-12181154517.html

 

posted: 2021年 7月 16日

印章憲章を守ろう!

兵庫県の印章組合が全国組織を脱退されてから、4年が経ったんですね。(下のブログを参考にしてください)

 

今、『印章憲章』は、スローガンではなく、印章の唯一無二を守る具体的な取組がされているのだろうか・・・

 

4年前に加盟されたネット大手では、分速で販売されるハンコは唯一無二を守るためにどのように作製されているのだろうか・・・

 

来年ある技能検定の2級試験は手仕上げの試験です。

 

角印の判下作製(48ミリ)と24ミリ角の手仕上げで3時間30分という試験内容・・・手仕上げも時間がかかります。

 

だから唯一無二が守られますし、2級技能士の存在意味も出てきます。

 

4年前に兵庫県の印章組合が一緒にはやっていけないと言われたネット大手からは、何人の何十人の受検者を輩出してくれるのだろう?

 

楽しみである。

 

そうあらないと、脱退された兵庫県の印章組合さんが気の毒に思えてならない。

 

2級技能士の数を増やすという数字上の技能検定延命策のみでなく、その後の2級技能士の存在と意味づけをしていかないと、「うちは手で仕上げているが技能士ではない」というような曖昧な手仕上げや「熟練の手仕上げ」というキャッチコピーがまた独り歩きしていく業界を許すことは、手仕上げという曖昧な言葉を独り歩きさせた責任を誰も問わないことに結びついて行きます。

 

過去の過ちを言っても仕方がないので、何度も言うようですが、きちんと2級技能士の意味付けをして、技能検定が今後も続くような方針を持ってほしいと思います。

 

そして、「2級技能士の手仕上げ」をどんどん発信していって下さることと信じております。

 

4年前のブログ⇒https://ameblo.jp/kiann1213/entry-12291997579.html

 

 

posted: 2021年 7月 12日

次に伝えていますか?

七月のなにも落さぬ谷時間

【作者】秋元不死男

 

いつもなら夏祭りの幟が街角にハタハタと閃いているはずの7月です。

先日、交差点にたって小学生の通学を見守っている地域のおじさんに「幟がない夏はさみしいですね」と声をかけました。

おじさんは、地域のお祭りの世話人で、次男も子どもの頃お世話になりました。

朝の挨拶のつもりでしたが、そのおじさんは悲しそうな顔を私に向けました。

「いや、来年はできますよ。」とこれもできるという根拠もなにもない、ただ励ましだけの言葉です。

おじさん(と言っても80歳前くらい)は、「できますやろか・・・」と弱々しく、更に悲しそうに、泣き声のようにも感じました。

「大丈夫ですよ」とこれまたええかげんな励まし・・・。

そういえば、昨年もこれと同じ会話をしたような気もします。

1年ならまだしも、2年連続で地域のお祭りができないということは、そのおじさんにとっての2年は、とても大きいし、ひょっとして来年は祭りをする事も見る事も出来ないかもしれないという時間なのです。

また、子ども太鼓の伝承は、2年間の空白となります。

今の太鼓の教え方はきっと違うのだろうが、私の子どもの頃の方法は、先輩が傍について教えてくれました。

右左右・・・右左右・・・右左右、左右と声をからして太鼓のバチの上げ下ろしを一生懸命指導してくれました。

そして、自分が上級生になれば、下級生に同じことをしていたのです。

その繰り返しがお祭りを作ってきたのでした。

2年もその練習をしないという事は、3年生の子が5年生になります。

5年生の子は、中学生になり子ども太鼓からは卒業になります。

おじさんは、その事も含めた意味で「できますやろか・・・」と悲しそうに答えたのだろうと思います。

物事が止まる、中断するということは、とても怖いことで、表面上のことだけでなく、根本的に動かなくなることをある意味示唆しています。

準えては書きませんが、印章技術の継承現場はどうだろう・・・。

※写真は一昨年の夏祭風景です。

 

posted: 2021年 7月 2日

継承の輪の広がり

夕月に七月の蝶のぼりけり

【作者】原 石鼎

今週半ばには、もう7月なのですね。

 

昨日は、愛知県印章会館に行ってきました。

とても立派な会館で、2階の会議室も広く、20名の参加者も間隔を取りながら技能検定の対策講座が出来ました。

大阪の講習会に講習生として来られているTaさんとToさんに講師としてお声をかけて頂いた時には、集まっても4~5人だろうと思っていました。

地元の問屋さんらの奮闘もあり、20名もの方が欠席なく集まって頂きました。

多くの方々が、普段はパソコンでハンコをこしらえており、課題の一つの印稿(角印に9文字をレイアウトしていく)を手で書いて頂くと、おそらく自分が思っていたよりも時間がかかり、上手く書けない・・・パソコンの画面は自動的に篆書に置き換わり、文字レイアウトされて目の前に表れます。

いざ、手で書くと24ミリ角の倍寸である48ミリ角に、どのくらいの太さにしたらよいのか、隣の文字との距離はどのくらいか・・・常に何気なくされている仕事が手に連動してこないし、頭でイメージできていません。

それは殆どの方がそうです。

 

私以外に、7名の地元の一級技能士である講師の先生が的確に指導していきます。

少しずつではありますが、各自良くなり、方向が見いだせたのではないかと思います。

この7名の講師の方は、先日お話させた頂いた解散になりました神奈川の印章訓練校の卒業生の方もいます。

また、お誘い頂いた大阪の技術講習会の現役講習生もいます。

大阪の大きな下職専門のS社出身の方もいます。

先輩や先生方に教えて頂き1級技能士になれた・・・その恩返しをしたいという共通の思いが、お話をしているとありました。

それは、継承の輪の広がりであります。

参加者のみなさまも、現在の仕事をより良い物にしていきたい(きちんとしたハンコをつくりたい)、そして資格を取って仕事の励みにして、商売を盛り立てたいという強い気持を持っておられます。

みなさん、真剣で一生懸命取り組んでいただいておりました。

その気持ちに応えられるように、私も頑張りたいと強く思いました。

一時期、パフォーマンスや掛け声だけの技能検定100名受検(来年の検定で100名の受検者がいないと廃止になる)に対しての対策をみていて、諦めかけていた背中を後輩たちや、昨日の参加者の熱意に押されて、自分のできる事をやり切ろうと決意致しました。

 

次は、7月25日(日)です。

昨日は、東京でも1級の技能検定対策講習をされていました。

動きが活発になり、継承の輪が広がってきています。

posted: 2021年 6月 28日

一時代の終焉

昨日、神奈川の印章組合から休校状態が続いていた訓練校の母体である職業訓練法人 神奈川県印章職業訓練協会の解散を知らせる挨拶状を頂いた。

五十年という年月に多くの印章人を全国に輩出し、業界の後継者育成に多大な功績を上げられてきました。

関わって来られました先生、先輩、関係者のみなさま、心よりお疲れ様と申し上げます。

私が訓練校の方と初めて話をさせて頂いたのは、技能グランプリに選手として参加させて頂いていた折に、審査員として参加されていた今は亡きK先生です。

当時グランプリの選手でありながら大阪講習会の准講師を仰せつかっていましたが、指導の基準となる物がなく個人の力量に依拠した指導しか出来ずに、困り果てていました。

懇親会で、K先生にその旨をお話すると、訓練校の『印章教科書』(写真)を送ってくださいました。

これは今でも私の宝物です。

全国グランプリでは、たくさんの訓練校の卒業生と競技させて頂き、Mさんが一位労働大臣賞に輝いた時には飛騨高山に押しかけてお祝いの会をしました。

その後、全国組織である全印協の技術委員として東京に行く機会が多くなり、今回の挨拶状をお送り頂いたT先生やA先生とご一緒に技術委員をさせて頂いております。(当時A先生は技術委員長をしておられ、現在は退任されました)

また技能グランプリでは、N先生にも何かとご指導頂いており、昨年は「令和印章修錬会」の審査にも携わって頂きました。

解散の挨拶状を手にした時、訓練校の卒業生でもない私ですが、一時代の終焉を感じました。

技術の継承は、徒弟制度から訓練校や全国の技術講習会や研究会、勉強会に変わって来ました。

訓練校というのは、講習会とはまた違った徒弟制度の名残や職人道徳をきちんと教える流れがあった場所だと思います。

訓練校の卒業生メンバーは研究会という形でそれを引き継いでおられます。

印章教科書は、ノウハウ本ではありません。

それを読んだからといって、すぐさまハンコが彫れるかと言えば、出来ません。

それで良いのです。

これは、指導者が後継者に指導する時に役立ち、その後の後継者の指針となるものです。

それは、それを使ったことがある人にしか分からないことだろうと思います。

その精神は、現在の全国組織である全印協の『印章教科書』にも引き継がれています。

そういうなかで、職人道徳は育まれ伝えられていく事と確信しております。

明日は、その精神を持ち「2級対策講座」at名古屋に行って参じます。

20名の若き継承者のみなさんと話ができると思うと、今からワクワクしております。

 

最後に、T先生とA先生へ

本当にお疲れ様でした。

技術継承の最後の砦である技術講習会や研究会、勉強会の灯を消すことなく、全国のみなさんと共に頑張ります!

 

posted: 2021年 6月 26日

違いを認めるということ

けむりあげ平日つづくかたつむり

【作者】田畑耕作

 

「はんこ文化は世界で日本だけ。海外との取引を推進していくために、日本の古いはんこの慣習を無くし電子認証を普及しましょう。そうしないと日本は世界から遅れてしまいます。」とは、コロナウイルスと共にはびこった昨年来からの声で、ますます大きくなってきているように思います。

昨日、最高裁大法廷で夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定を「合憲」と決定しました。

この判断は、世界的に遅れているのではないでしょうか。

人の在り方も人それぞれ、思想信条や宗教をそれぞれが自由に選択できるはずの日本において、どうして夫婦別姓は認められないのだろうと思います。

人に違いを認識でき、それを認め合うから仲良く暮らせるのではないだろうか。

自分と人の違いを認識できる人は、自分の良さも認識できる人です。

世界にない日本だけの慣習だからダメであるというのは、はんこ文化の良さを知らない人です。

はんこ文化は、人と人とを確実に結ぶ文化です。

スピーディーにはいかなく、デジタル上では邪魔になるのですが、安易にOKを出さずに、間をとり最終決着を決めるポイントとなる一押しです。

迅速に物事を進めなければならないこともあるとは思います。

しかし、日本の文化を踏みにじってまで、世界に合わせる考え方は、既に世界から遅れた考え方であるという事を認識して頂きたいと思います。

それに声を上げ守れるのは、一つ一つを丁寧に時間をかけて仕上げているきちんとした印章業者ではないだろうか。

篆刻家や工芸家にはできない、日本文化の一員としての「印章の陣地」を守れるのは印章業者の役割だと思います。

「かたつむり」も「けむり」をあげて必死に進んでいるんです。

posted: 2021年 6月 24日

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