まもなく技能グランプリです

連休は、お陰様で仕事量調整の為に休日出勤でした。
今週は、何かと忙しくなりそうです。
恒例の週末連チャンのはんこ屋理事会から技術講習会も待ち受けております。
3月に入るとすぐに『第30回技能グランプリ』があります。
この大会は、優れた技能を有する1級技能士などが年齢に制限なく参加し、文字通り熟練技能を競う全国規模の技能競技大会です。
印章彫刻の部門もあり、今回は兵庫県で開催されます。
私も6回トライしましたが、1位にはご縁がありませんでしたが、技術は勿論、多くの事を学び、多くの友を得ることが出来たことは今の私の財産であります。
今回は裏方にてご恩返しをしたいと思います。

この大会に関しての印章業界の人の意識は、大変低いものです。
一部の上手な人が自分の栄誉の為に頑張る大会である・・・声に出してはなかなか言う人はいませんが、恐らくそうだろうと察します。
それは、グランプリの情報発信や日程すら知らされていない・・・業界内部にも・・・少なくとも業界を挙げて技術を・・・きちんとした印章を作成するために研鑽しているんだというアピールを消費者に向けて何らされないことに表れていると思います。
他の業界は分からないのですが、推測するに同様かアピールが下手くそなのかと思います。
選手自身はそれどころではないでしょうから、微力ながら情報をお伝えしていきたいと思います。

まず、一般の人向けのパンフレットをご紹介しておきます。
ちなみに、印章木口彫刻は3月2日に神戸国際展示場で競技をしています。
http://www.waza.javada.or.jp/tyousen/ginougrandprix_low_1.pdf

posted: 2019年 2月 12日

後輩からの恩送り

昨日、写真の「2019 中印連 競技大会 募集要領」が届きました。
送ってくれたのは、大印技術講習会の元講習生で私の後輩にあたるK光さんです。
彼には、技術講習会の途中で私の病気により最後まで指導できなかったという責任をずっと感じていましたが、彼は業界でも有名な競技会上位者となって、現在中印技能士会の講習会講師や地元での技術関連でも活躍されています。
その姿勢が大変嬉しく、恩返しではなく恩送りをしてくれていると、いつも心強く感じています。

この度の中印連の競技大会には審査員としてお声をかけて頂きました。
出来うる限り協力していきたいと思います。
この大会は、過去に大印展や大競技会において上位入賞した人を除いた人向けの競技大会です。
初心から中習者に賞をあげたいという主催者側の意向を大いに反映したものとなっています。
初めての試みだと思います。
いろいろ難しいところもあるとは思いますが、続けていっていただきたく思います。

また、彼はこの3月に実施される「第30回技能グランプリ」にも出場されます。
ガンバレ、後輩!

posted: 2019年 2月 7日

きちんとした印章

花の咲く 木は閙(さわ)がしき 二月かな
【作者】各務支考(かがみ しこう)

傾城の 蹠(あしうら)白き 絵踏かな
【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

朝から雨で、新しい靴を下ろすのは明日に控えました。
春を迎える準備を木々がしている喜びの雨のようにも感じます。
木や花の中に、何か別の新しい物が生まれるのではなく、母体になるものが着々と少しずつ新しい芽生えの準備をしています。

きちんとした印章を作製し販売するという当たり前の繰り返しを蔑視する風潮があります。
人は流行りの事象や新しい考え方に時として翻弄されるものですが、きちんとした考え方を否定してまでも踊り出ようとしている思考は新しいようで嘗てもどこかで見た事のある胡散臭い思考と共通するものが内在しているように思います。
はんこ屋さんの組合は、減少傾向にあります。
維持することで精いっぱいです。
流行りのように組合を辞めていかれた方に共通するのは、メリットがないという一言でした。
私も含めて、組合側からは、メリットは自分で見つけるもの活動の中で見つかるという反論もありましたが、やはり少し弱いところがあると思います。
本来、メリットはあったのです。
組合に加入しているお店は、どういう宣伝ができるかというと・・・きちんとした印章を作製し販売していますという消費者からの信用だと思います。
その為に、モラルを守った印章製作を学び、きちんとした技術を身に着けるために技術講習会を開催しています。
また、技能検定を推進するために国や行政に協力しています。
という二つの柱がありました。
それがドンドンと追いやられるどころか、軽視の次は蔑視・・・過去の遺物を見るような放置状態であるのではないでしょうか?
何か努力されていますか?
その努力が消費者から、組合に入っているお店の信頼を得てきたと思います。
新しいことを踏絵のように思っていると城は必ず傾きます。
きちんとした印章を作製しているかどうかをメリットの旗頭にして協力努力を発信していくことが求められているように強く感じます。

posted: 2019年 2月 6日

節分に印章文化を考える

節分や よむたびちがふ 豆の數
・・・正岡子規

おはようございます。
年男になると、豆を数えるだけで大変ですね。
人に歴史あり、また印章にも歴史があります。
実印の制度は、明治の太政官布告が大きな役割を果たしたことは、確かな事ですが、それを支えるあり方は江戸時代に形成されてきたものです。


またその土壌になったのは、シルクロードを通じての最終地点である正倉院の律令制度の時代にも遡れます。
そしてさらには、それを受け入れた日本人の民族的礎は、「おしで」という約束事の形成の徳があったからこそであります。
即ち、昨日今日始まったものではなく、日本人のなかに少しずつ蓄積され、継承されてきた文化だということであります。
最近、実用印が無くなっても、書画の落款印や賞状のはんこ、御朱印帳の印章は無くならないという話が同業者の間で言われています。
商売上は、そこに生き残りがあるのかもしれませんが、私は少し違う観点から印章文化を考えています。
それは、印章自身の中に脈々と継承されてきた人と人との関係の表現方法としての印章というあり方で、「おしで」の思想から姿を変えつつ日本人に継承されてきた大切なものであるという文化であります。
実用は商売、鑑賞用や芸術は文化と考えるのは、狭い印章の捉え方だと私は考えます。
全てが関連していて影響を与え合っているという前提で、印章の在り方を創造をしていかないと、そこには未来はないとも考えてしまいます。
デジタルという思考も昨日今日に出てきたのではないと思いますが、デジタルの位置からいくら印章を論じても、そこには解答の欠片さえ見出すことは不可能であると思います。
世の人は、印章業界の人よりも情報過多の社会で、印章の置かれた位置を図っておられます。
デジタルでパソコンでこしらえた印章から印章を議論していたのでは、終局はもう目の前なのかもしれません。
印章を創造する力は、印章の中にありそれを継承してきた先人の知恵と暮らしに根付いた日本人の思考のなかにこそ求めるべきであります。

posted: 2019年 2月 4日

技術と知識

2月になりました。
明後日の2月3日は、印章彫刻木口作業の技能検定の全国統一学科試験の日です。
実技試験とともに学科試験に合格しなければ、いくら実技が満点でも技能検定の合格証書は頂けません。
はんこ屋職人は、ともすると字彫り職人であり、知識より経験、熟練の世界と思われがちであります。
しかし、きちんとしたはんこ屋さんは、印章についての知識や深い思考を持たれている方が多く、技能士の資格にも勿論それが要求されます。
ですので、モラルを守り世に一つだけの印章製作ができるのです。

実用印章を扱う印章業の起りについて、『印章教科書』(公益社団法人全日本印章業協会発行)では、次のように記載されています。
「この頃(戦国時代から安土桃山時代にかけて朱印が作られていた頃)、実名印(後の実印)が商人の間で使用されるようになり、これに伴って、専門の印判師ができるようになりました。秀吉が3人の板版師を選んで、印判師になるように命じ、細字の姓を与えました。これが後の印章業者の元祖となり、京都、金沢にはその子孫が残っています。」
江戸時代に入り、寛永元年に京都の印判師が江戸にくだり板木職と区分され幕府お抱えの御印判師としての看板を掲げ、帯刀を許された者もいたと言われています。

名字帯刀を許されたということでは、相撲の立行司もそうです。
権威のみならず、差し違えたら切腹するという意味で帯刀しているとのことですが、当時の印判師も権威を有していたのみならず、偽造をすれば切腹という意味もあったように思います。
元禄ごろになると、偽造を作るものも相当出てきており、幕府は元禄7年に印判をおした印影によって彫ったり、絵本のように綺麗に書いた模様のとおりに彫ってはいけないという法令を出しています。《『はん』(石井良助著)より》
今なら、フォント文字そのまま使用禁止、キャラクター印禁止と言うところでしょうか。

世間では、彫刻技術も知識もなく、フォントをそのまま使用して同型印の危険性ある商品を平気で販売している業者が多いなか、政治からは足もとをみられ、「とっくに厳格性が損なわれているはずの印鑑」と揶揄される印章不要論がニュースになり吹聴されています。
2月3日に技能検定の学科試験を受検される方は、合格するための知識としてだけに身に着けるのではなく、これを機会に印章から学び、先人の守ってきた規範とその想いにふれ、それを創造的に活かせるような技能士となっていただけるよう心より応援しております。

posted: 2019年 2月 1日

この手のニュースが増えるのかな・・・

昨日のワールドビジネスサテライトをご覧になった方も多いと思います。
28日から始まる通常国会の中で審議される法案「デジタルファースト法案」についてニュースでした。
態々、そんなことを身内から情報発信するな!と言うお声も聞こえてきそうですが、もうそんな甘いことを言っている情勢でもありません。
只、ビジネスと政治を土俵にしたニュースですので、印章の公益性や社会性については一方向からの報道であったとも感じました。

私の古くからの知り合いの方が、最近よく言っていることがあります。
「組織のトップは、真面目に見える人が得や!私みたいに助平に見える者は損や!」
組織のトップが支持される指標を助平かどうかという土俵のみで見ています。
その人の才覚や資質については、土俵の外なので、その知り合いとは議論がかみ合いません。

公益性や社会性ということもそうだと思います。
印章の販売や経営の在り方や印章彫刻技術というのは、印章業界内部の視点です。
また、印章が個人や会社に必要かどうかというのは、消費者の視点です。
両方必要ですが、それだけでは公益性は計れません。
過去や未来の歴史的な観点や文化的視点等々、様々な角度から判断材料を加味して熟考しなければなりません。
そういうトライが残念ながら皆無な状況です。
危惧から悲観へと変わりつつある現状のなか、印章にとって良き方向とは何なのかを私なりの観点で、これからも発信して行きたいと強く考えています。

このニュースで、職人としての先輩Tさんがお元気にお仕事をされている様子が報道されたことは、何か自分にも励みとなりました。
私も頑張ろっと!

posted: 2019年 1月 23日

貫く棒

去年今年 貫く棒の ごときもの
高浜虚子

明日、明後日は大学入試センター試験ですね。
寒い時期に、実施側も受験生も大変です。
職人の世界のセンター試験みたいなものが、技能検定試験です。
大阪での印章彫刻木口作業は、実技試験が27日にあります。
私がこの試験に携わってからは、一番受検者が多いのですが、全国的にはそのやる気の無さを露呈した状況で、大阪会場が一番多い人数となっています。
検定により誕生した技能士は、少なくなりましたが全国にいるはずです。
しかし、後継出来ていないのが現状です。
重い腰は沈み込み、もう持ちあがることはないのでしょうか。

兎も角、寒中の技能検定は実施されます。
全国の受検者のみなさん!
インフルエンザやノロウイルスが流行中です。
体調管理に気を付けてください。

技術は一貫性のあるものです。
昨日今日の練習でどうにかなるものでもなく、またそれでどうにかなったとしても補充を怠れば、元の木阿弥です。
技術は裏切らないですが、それに真摯に取り組まないと、劣化や退化していくものです。
常に「貫く棒」のように、真っすぐな気持ちで取り組み続けてください。
そうすると、次が見えます。
そして、次の者にバトンタッチ。
これが一番大切です。

次の日曜日は、今年最初の講習会です。
今年もよろしくお願いします。

posted: 2019年 1月 18日

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