変わらないと残せない時代

三月は人の高さに歩み来る

【作者】榎本好宏

 

3月になりました。

お蔭様で、胃痛は何とか回復の方向に向かっています。

好きな酒を10日間ほどぬいたのは、ここ数年では珍しいことでした。

一昨日に飲んだ八勺の熱燗は、体が慣れないせいか苦く、美味しく感じませんでした。

昨日あたりから、美味いなぁ~と実感できたのは、体が元に戻り始めたのかな。

皆様には、ご心配をおかけしました。

3月は、胃痛になるほど実施段取りに苦しんだ技能検定の合格発表が11日にあります。(大阪は、職能ホームページに掲載されます)

また、13日は、(公社)全日本印章業協会主催の「第24回全国印章技術大競技会」の作品出品締め切り日(消印有効)です。

それなのに、大阪のコロナウイルス感染状況はまん延防止措置の延長の方向で動いています。

そうなると、また講習会が休講になるのでは・・・

講習生の作品作りの印稿を通信添削しておりますが、マンツーマンの添削指導は良いように感じる方もおられるかもしれませんが、横のつながりが断たれます。

指導者と生徒との往復で完結してしまうということです。

他の生徒(講習生)と比較しながら出品して、全国の技術水準のどの位置に自分がいるのかを見て、反省して次回に向かうなかで、技術が蓄積していきます。

それが一方通行だけになると、勉強の片手落ちになるということです。

大阪の技術講習会は、毎月第三日曜日です。

今月は20日で、まん延防止措置が延長されると、その中に入ってしまいます。

ここ2年間、ずっとこれです。

休講続きの講習会は魅力減です。

リモートも大いに取り入れる必要性に迫られているのではと思う昨今です。

講習生の目線に歩み寄る必要があるのではないかなと、今度の日曜日に対策会議・・・これが私の大印技術委員として最後の仕事となります。

posted: 2022年 3月 1日

幸福の木の花

老猫のひるね哀れや二月尽

【作者】網野 菊

 

今日で2月もお終いです。

2月は、ちと無理しすぎました。

つけが後半、体に表れました。

先輩、先生より体へのメッセージは素直に受け取らないといけませんという進言を頂きました。

写真は、お店にあります「幸福の木」です。

黄綬褒章受章のお祝いに税理士の先生より頂いたものです。

これに蕾が出来始まました。

今までも何回か蕾ができて、花が咲きました。

花は夜に咲くのですが、独特の強い匂いを発します。

朝お店に来ると、その強いにおいに鼻が曲がりそうになります。

「幸福の木」に花が咲いたのだから、幸福になれるのかなと、以前ネット検索してみると、木にとっては、そうではないようで、木にストレスが溜まると花を咲かせるらしいです。

私もストレスがたまると体からのメッセージがあります。

以前は腰痛でありました。

おそらく今回の腹痛もそうだろうと思います。

放置しておくと、メッセージを素直に受け取らないと、精神的にやられていく事が過去からの教訓です。

見栄を張って無理しすぎても、ろくなことは無いということですね。

それと、もう無理は聞かない年齢だということをきちんと自覚する必要があります。

前回の「幸福の木」開花の時は、「明石家電視台」への出演のお話が舞い込んだ時だと家内は言います。

暖かい日差しの月末ですが、3月に向けてきっと良い事がありますようにと「幸福の木」の蕾を見つめながら思いました。

posted: 2022年 2月 28日

このみち

このみちや いくたりゆきし われはけふゆく

【作者】種田山頭火

 

昨夜、BSテレビで高倉健3週連続放映の最後をかざる『あなた』を見ました。

もう、テレビで3回くらい見ていますが、これを山田洋二監督作品だと思い込んでいました。

エンドロールで、降旗監督であることを知り、ああやっぱりという変な納得をしました。

勿論一番心に残ったのは、田中裕子演じる妻・洋子の遺骨を無事に故郷の海に散骨して、種田山頭火の「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく」という句が画面に現れ、英二がおもむろに辞表を郵送するために封筒に入れたシーンでした。

 

先日、技能検定も無事終了して4月からは講習会講師の役割のみとなり、肩の重荷がおりました。

辞表をだした英二のように、自分らしさをよく考えて前が見られるような気になりました。

いろんな役割の裏方ばかりをしているのが、誰にもできないと恰好を付けていた自分が恥ずかしくなりました。

そんなことは誰にでも出来たことでありますし、これからもできる事であります。

全国印章技術大競技会の作品締め切りが3月13日と迫ってきています。

昨日は、休講続きの大印技術講習会の講習生の作品印稿を添削していました。

研究科の講師である印友が、体調をこわされて急遽代理講師として携わる一番目の仕事となりました。

実は、講習生はあまり意識していないのかも知れませんが、憧れの研究科講師に代理ではありますが初就任したのです。

嘗て講習生であった時は、研究科の講師の先生は憧れの的でありました。

頑張らなければという勇気も沸いてきています。

自分の足元、自分が出来る事は技術を伝える事であるという再確認が出来たのです。

添削をしていると、1点添削するのに1時間半くらいかかりました。

過去の先生先輩、印友の作品、後輩の頑張っている作品を今回の課題と照らし合わせて、過去の印譜を一冊ずつ丁寧に探し出していくのに時間と労苦がかかります。

それでも、それをする事により、刻者がどんな工夫をして作品作りに取り組んでいたかの思いがひしひしと伝わってきて、勉強のやり直しが出来ます。

作品を出品していた講習生時代の印影がひょっこりと印譜の間にはさまっていたりと、更に自分を鍛えてくれる場であることを確信しました。

「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく」という種田山頭火の境地にはまだまだですが・・・。

posted: 2022年 2月 21日

不器用な検定人生でした

暮色もて人とつながる坂二月

【作者】野沢節子

 

一昨日、本当に大変であった印章彫刻の技能検定(国家検定)実技試験が終了しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は後ろからのその時の風景です。

優秀なスタッフのお蔭で、案外早く無事に終了しました。

帰宅後、熱燗を呑みながらBSで映画『駅―STATION』を見ました。

この映画は、私の中でトップ3に入るお気に入りです。

円谷幸吉選手の遺書が、高倉健の演じる英次が自らの仕事とオリンピック選手指導の間で苦悶する様子と重なります。

「父上様、母上様、三日とろろ美味しゅうございました。干し柿、モチも美味しゅうございました。

敏雄兄、姉上様、おすし美味しゅうございました。

克美兄、姉上様、ブドウ酒とリンゴ美味しゅうございました。

巌兄、姉上様、しそめし、南蛮漬け美味しゅうございました。

喜久造兄、姉上様、ブドウ液、養命酒美味しゅうございました又いつも洗濯ありがとうございました・・・父上様母上様、幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません・・・何卒お許し下さい・・・」

もう何十回見たか分かりませんが、今回心に最も響いた英次の言葉は・・・

英次の上司が、「今回はオリンピックの指導は降りてくれ。道警の射撃手養成にあたってくれ。」と言った言葉に対して、「私は一介の刑事です。上の指示に従うだけです。」というシーンでした。

もう一つは桐子の章で、桐子の旦那(指名手配者)を射撃殺害した英次が、駅の薪ストーブにしたためていた辞表を放り込んだシーンです。

今までの鑑賞では、この言葉やシーンには引っかかりませんでした。

還暦を回っての技能検定最前線は、今までで最高の受検者数とコロナ禍ということでとても大変な役割(指示)でした。

ずっと、上の指示(それさえ理解していなかった上もおられましたが)に従い努めてまいりました。

今回、大阪府職業能力開発協会から視察においでいただいた方とお話していると、私も名工や黄綬褒賞受章の折にいろいろとお世話になったHさんがこの3月で定年退職されるとお聞きしました。

ちょうど、私も今回で技能検定最前線から足を洗わせて頂きます。

本当にお世話になりました。

 

 

posted: 2022年 2月 15日

愛しきものよ、これにてさようなら。

うすぐもり都のすみれ咲きにけり

【作者】室生犀星

 

昨日の家内との早朝散歩は、とても寒かった。

この日は、印章彫刻技能検定の実技試験も全国的に多く、受検者もですが、それより早く段取りをされる検定員や補佐員、事務員のみなさんは更に大変であったと思います。

ご苦労様でした。

私も散髪をしてから、自分の店で次の日曜日に実施することとなっています技能検定の準備をしていました。

一つひとつ進めていきましたが、膨大な量に圧倒され、とても疲れました。

コロナの感染拡大に歯止めが利かない大阪ですので、みんなで集まれないということと、会場が組合の会館の使用不可との理事会決定を受け、公の施設で検定最終日に実施となりましたので、1人での段取りとなりました。

(勿論、当日は検定員、補佐員、事務員のメンバーの力をお借りして運営します。)

受検者数は、私が今まで関わってきたなかで、一番多い人数です。

各地の状況がいち早くFacebookで発信されていました。

どうやら、濃厚接触の可能性のある方や、時節柄インフルエンザなどでの欠席者もおられるようです。

今からは、当日何もなく無事に受検者が検定試験に普段の力を発揮されることを祈るしかありません。

写真の本は、同業のFB友達から紹介を頂き、昨日本屋さんで購入しました。

小説好きの私ですので、文豪の検印は興味深く拝見させて頂きました。

有難うございました。

よくよく考えてみると、昭和40年代から検印が消えていったそうです。

著者の文章に、「消え去るものは、なべて、愛おしい。」とあります。

今!認印も消え去るものとして、愛おしがられているのだろうか。

それでよいのだろうか。

取りあえず、私にとって最後にいたします愛おしき技能検定実施のために、13日の実技試験と、その後の諸々から、検定合格証書の配布まで有終の美を飾りたいと強く思っています。

これにて、さようなら。

 

posted: 2022年 2月 7日

年取豆

恐るべき年取豆の多きかな

【作者】木村たみ子

何時の頃からだろうか、節分の豆を食べなくなった。

子どもの頃は、その年齢のやっつだとか、ここのつしか食べれなく、大人のひとをうらやましく思っていた。

今食べると63粒も食べなくてはいけない。

そんなにいらないどころか、口が乾くので一粒もいらない。

乾燥しているので、のど飴の方が助かる。

ひとは勝手な生き物であります。

きちんとした人にあこがれ、理路整然と話される方をいいひと、すごいひとと思ってきましたが、この頃ひとの見方も年と共に変わって来ました。

どんなにきちんと話される方でも、何か共鳴できない人は追い求めないようにしています。

義理を欠いては生きることができないので、それ相応の関係でいます。

ふとした出会い、お客様との出会いもそうなのですが、私のようなたどたどしい職人の説明に興味深く耳を傾けてくださるひとの中には、とても共鳴する場合があります。

一期一会というのでしょうか。

そんな人間関係を大事にしていきたいと強く思うようになりました。

節分は、一年の氣を分ける節目です。

新しい年にいい一期一会がありますように。

みなさんにもありますように。

そして、今日も一期一会の印面に向かえることに感謝。

posted: 2022年 2月 3日

鬼と聻

鬼もまた心のかたち豆を打つ

【作者】中原道夫

 

お店の近所に大きなタワーマンションが建ちました。

最初の建設予定では、ホテルと言われていたのですが、居住用のマンションになりました。

その入居が、先週の土曜日当たりから始まり、引っ越し屋さんのトラックが長く列をつくって、昨日などはそのピークでありました。

今朝も早くから引っ越し作業が続いていました。

大阪のど真ん中、嘗て小学校で社会の副読本で習ったのは、昼間に市内の中心に働きに来られて、夜は近郊に帰宅されるという昼間人口と夜間人口の格差が大きいドーナッツ現象と教えられました。

ところが、今夜間人口の増加(居住地を大阪市内の中心に移行する)という現象が起きていて、小学校の増築も進んでいます。

何がどうなるか、50年前には読めなかった現象でしょうね。

ハンコもここまで社会的信用を失うとは、誰も想像していなかったのでしょうね。

胡坐をかいて、ボーとしているとこうなります。

コロナ禍だからと、何もしないともっと悪化していく事だろうと、そのぐらいは鈍感な私でも想像できますが・・・。

明日は、もう2月ですねと、先ほど来店された業者の方とお話していました。

どうなるのでしょうねと・・・。

2月3日は節分ですね。

写真は、新しい巨大なタワマンの近所のお寺に貼られていたものです。

人は死ぬとみんな鬼になるんですよ。

戸籍を抹消され鬼籍にいれられるのです。

その鬼が怖がるも文字は、「聻」です。

老舗旅館や老舗企業などには、これを掲げているところが今も残っていると聞きます。

posted: 2022年 1月 31日

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