豪雨から蝉時雨へ
一週間前の豪雨が嘘のような蝉しぐれの中を通勤してきました。
体がだるく重いような感覚が、この間纏いつきます。
縦横に走る断層の上の穴倉の中を走る乗り物に乗り、蝉しぐれのはるか上にそびえ立つ建物に吸い込まれるように入っていく人々。
皆一様に、その手の中の画面に目を落とし、時折人とぶつかりそうになることを大儀に思い、個を失っていくように感じるのは、そのわきを通りながら、時折同じようなしぐさをしている私も同様なのかもしれません。
クリエイティブな仕事をしている人にとって、こういう具合に慣らされて行くことは、とても危険な状態であると思います。
一人、違ったことをしていても可笑しいのかもしれませんが、衝動的になる今の若い人の気持ちも何となく理解できるところもあります。
新しい物を生み出すとか、製作する、考え方を模索するということは、やはりクリエイティブな仕事だと思います。
同じようにするとか、機械的、同様の繰り返し、人と同じようにする・・・それらの中からは、早く、合理的に、均一にという言葉が生まれます。
そして今、それらの言葉の代名詞は、デジタル化であると理解できます。
すごく便利に、合理的に、迅速に、様々なことが処理される反面、それらの代償に失ってしまうこともあるような気がしてなりません。
これだけ、パソコンやスマートフォンが普及していても、それらを並べても土嚢の方が災害時には役立ちます。(それらの機械を否定しているのではありません)
また、職人の知恵や経験をパソコンに詰め込んだとしても、それらを駆使できるのは古の工人であるかもしれません。
古の工人は、手先の事を残されましたが、真に伝承せねばならないのは、やはりその考え方だと感じるこの頃です。
今に生きる私達が古の工人の仕事から引き継がねばならないことは、手先の残影からしっかりと思想を読み解く作業かも知れません。
物と共に生きてきた我々の必然であり、それを製作する職人の使命だと思います。
その使命から背を向けて、自己の中に完結していたのでは、逆にその物から見放され歴史の海に埋没する事然りなのかもしれません。
今日も暑くなるとのこと、日曜日の技術講習会は37度の予報です。
今日は、ご予約のお客様もあります。
水分補給を忘れずに、頑張ります!
