向日葵に祈る

向日葵の ひらきしままの 雨期にあり

たまたまの 日も向日葵の 失へる

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)


大雨に友らの顔を思い浮かべて心配しています。
昨日、家内が向日葵を買ってきてくれました。
お日様のようにお店に輝いています。
大雨を想い、テルテル坊主のように災害無き事を向日葵に祈っています。

 

 

 

向日葵でもう一句・・・
向日葵が すきで狂ひて 死にし画家
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

向日葵に強い愛着を持っていた画家というと、誰もがフィンセント・ファン・ゴッホ(1853年~1890年)であると思い浮かべる事が出来ると思います。
それだけ、現在では評価の高い画家です。
しかし、生前に売れた絵は『赤い葡萄畑』の1枚のみだったと言われています。
彼の生涯は多くの伝記や、映画『炎の人ゴッホ』にもなっている。
しかし、いくら後世で「情熱的な画家」、「狂気の天才」といったイメージをもって語られるようになり、そのとりわけ晩年の作品が高い評価を得たとしても、生きている間に、自らの作品や生き方が評価されなかったという悔しい想いは、彼を死に向かわせたことだと、同じモノづくりの人として推察いたします。

技術力がある、良い印章だと黙っていても評価され、作品より名が先行して売れていた時代には、社会的な印章の価値が当然のようにありました。
今は、その価値の低下を止める手段を見失ってしまっています。
はんこ屋職人を名乗っていて、生涯に1本の印章しか売れなければ、おそらく今の人は転業されると思います。
すきで狂いて・・・というくらいの想いは、自己の中にあるでしょうか?
篆刻を高松で勉強していた時に、今は亡き関西篆刻界のトップの方が指導に来ておられました。
その折に私におっしゃられた言葉を今でも鮮明に覚えています。
「いいか、三田村君。篆刻の世界は地獄やで。」と・・・。

posted: 2019年 7月 4日