蝌蚪の頭

考へてをらない蝌蚪の頭かな
【作者】後藤比奈夫

蛙の子である蝌蚪は、頭が大きいだけで何も考えていないらしい。
頭の中には、大量の情報やそれを駆使できる多様な言語が詰まっていて巨大化しているのかな。
それを上手く組み立てて、生きていく能力に欠けているのかもしれません。
印章は、輪郭の中に文字が入っています。
いくら文字をたくさん知っていても、それを彫刻する能力がなければ、印章は出来ません。
また、文字を上手に書けて彫刻も出来たとしても、その文字の構成力やデザイン能力がないと、きちんとした印章は出来ません。
さらに、いくらそれが上手くできたとしても、名人上手と言われても、お客様の為に作製しているという哲学を持たなければ、それは文字が彫ってある単なる棒か製作者の趣味嗜好品であります。

新型コロナウイルスの感染拡大が人類を恐怖に陥れています。
医学の進化は「人生100年時代」に人を導きました。
その医学の膨大な情報量をもってしても、簡単には感染拡大を止めることは出来ていません。
政治や経済の力とその情報量を駆使してもです。
今ある命を救えないのです。
世界はグローバリゼーションへのチェック機能をかなぐり捨て、価値観の優先が合理化と効率化であり、その行く先が自国ファーストであり、独り勝ちの世の中であります。
大きくなった頭を振り回さないで、今ある命を救うために、どこに価値を戻さなければならないかを問い直し、立ち止まり情報の取捨選択を行う必要性にせまられているのかもしれませんね。

この文章を書いている最中に、志村けんさんの訃報が飛び込んできました。
お悔やみ申し上げます。

posted: 2020年 3月 30日