職人スピリットの崩壊

梅雨ごもり眼鏡かけたりはずしたり

【作者】ジャック・スタム

 

梅雨と言うより大雨警戒レベル3の大阪でしたが、小降りになってきています。

印章の命は印面であり、そこに彫刻されている文字の姿とレイアウトの美しさが、その良否を決めると言うと、もっともらしい話であります。

いわゆるデザインが肝要である。

しかし、そのデザインだけを一生懸命追求しても身につくものではない。

ある人いわく、「今は彫刻機がデザインさえあればその通りに、却って手で彫るよりも綺麗にできる?ので、唯一無二を表現するデザインの勉強をすれば良い。彫刻は彫刻機に任せればよいのであるから。」と・・・。

結論から言うと、印章デザインのみの勉強で、美しき印影を得ることは出来ません。

これは、少し印章を勉強した人には理解できることです。

印章には字法、章法、刀法という印章三法(篆刻三法)があります。

その刀法を彫刻機械に委ねて、後を勉強するという事だろうと思います。

この三法は敢えて三つに分解したもので、本当は密接に関連しあっています。

その理屈は以前にもお話したことがありますが、専門的になりますので、ここでは止めておきます。

修錬ということで、その説明をさせて頂きます。

修錬とは、それを通して何かを身につけることであり、その過程が大きな役割を果たします。

印章を作製するには、多くの作業工程を経て出来上がるものです。

他の職種も、手で作製されるものはみんなそうだと思います。

その過程で、形や形状、そしてその物の本質に深く触れることが出来るのです。

最初と終わりだけでは、目立ったところだけを拾い上げても、その物の全ての製作過程に携わらないと、その一部の意味が認識できません。

利便性やスピードを職人の育成にまで問われている今日、本当の意味での「ものづくり」や職人仕事というのは、スピリットの面で既に崩壊しているのかも知れません。

自分で書いていて、怖いこと書いているなと思います。

posted: 2021年 5月 21日