先生ありがとうございました
先生ありがとうございました冬日ひとつ
【作者】池田澄子
連続テレビ小説『スカーレット』のフカ先生が信楽を去ります。
時代と共に絵付け火鉢どころか火鉢そのものが、電気やガスに追いやられて無くなっていきます。
フカ先生は、喜美子や弟子たちに何を残して去るのでしょうか?
絵付けの技術でしょうか?
絵でしょうか?
技術の在り方でしょうか?
私も先輩先生方から多くの事を学びました。
印章の彫り方でしょうか?
印章の文字についてでしょうか?
職人としての考え方でしょうか?
これと言ってしまえないほどの多くの事ですが、これと言えないところに感謝の念が湧いて来ます。
印章の文字(篆書)は、一つの形のみではありません。
いろんな状態に対応できる要素をもっています。
画数を増やしたり、減らしたり・・・
横長な文字として対応する能力
縦長な形状に対応する能力・・・
全体として纏まりを持つことのできるのは、印章として活躍するためにそなわった篆書の大きな力です。
それらがある事を教えて頂いたのが、先生です。
だから、私はフォントは使用しません。
フォントを使用して、いくらそれを修正しても同じ骨組みだからです。
フォントを使用して、いくら上手?に手で彫刻しても、それは偽物であり、先生を裏切ることとなります。
何のために自分は先生から印章彫刻を教わり、はんこ屋として自らのお客様のために懸命に仕事をしているのかを自問自答することが最近いろいろな場面で感じることです。
先生ありがとうございましたと素直に言える心を持ちたいものですね。
