コミケでの懐かしのサークル印
今から17,8年前に今では誰でも知る夏と冬のコミケに仕事でお台場のビックサイトに6~7年通ったことがありました。
『煕菴の遊印』の販促の為の、実演販売を画材メーカー卸のお得意様のご好意で販売ブースの一角をお貸し頂きました。
コミケには、いろんな方が来られていましたが、中心になるのは同人誌を販売される作家さんです。
作家さんはサークル単位でブースを持ちます。

写真は、そのサークル印です。
その名称を見ているだけで楽しくなりますね。
我々はんこ職人は、お客様に作った商品を公開できません。
通常は、その作品は実印であり銀行印であります。
認印でも印影を公開できないのが、悲しいところです。
今回は、当時のサークル印ということでお許しを願いたいと思います。
接客時には、作家であるお客様のサークルの傾向や作家さんの想いを詳しくお聞きして、その場でラフデザインをご提供して話合い、サークルらしさを表現し、少しずつ作家さんの想いに近づいて行きました。
今思えば、現在の接客哲学やその方法は、その当時の経験を活かしているように思います。
お客様カルテ、接客時間を長くとる、3点の完成デザインのご提案は、ここからきているように思います。
当時の作家さんは、このサークル印を同人誌の奥付印にされたり、同人誌を買ってくれた人へ感謝の気持ちを込めて、サインと共に捺して頂いていたようです。
趣味の印かも知れませんが、そこには捺して楽しいというだけの単純なものではなく、作家さんの想いを代弁していた大切なサークル印であったと思います。
今、ともするとデジタル化の流れの下、実用印の減少に反して、文化は遊びだとする捉え方から、ポンポン押して楽しいとする発想があります。
落款印も書画落成款識を期して捺すものであります。
ポンポン押して楽しいのはオモチャです。
当時の印影をみながら、ふと思ったことです。
当時の作家さんの中には、著名な漫画家になられた方やデザインの第一線で活躍されている方も多く、当時のサークル印を懐かしく思われる方もおられることと思います。
その節は、有難うございました。
