25年前の命題
もう少し生きよう桜が美しい
【作者】青木敏子
今から25年くらい前に、今は無き青年部に所属していました。
青年部を卒業される先輩部長の記念に他県への研修旅行に行きました。
その受け入れ先の社長さんが人格者なお方で、店舗や店の経営ノウハウを惜しげもなく公開して頂きました。
今から考えると、本当に凄いことでした。
私もまだ若く、そのことの意味も考えずに、生意気にも次のように質問いたしました。
「はんこ屋さんの多くは、印面を説明販売するのではなく、印材と言う名の棒を販売しているように感じます。店舗レイアウトも販売の考え方もそのように感じます。
お客様は、最初は棒を選んで購入されるかもしれませんが、彫刻された印章を受け取りに来られた時、棒を渡していたのでは、だめだと思います。
もっと印面の美のアピール方法は、ないのでしょうか?」
この質問に対して、彫刻証明書を付けるとか、印影をラミネート加工して貼り付けるとかの意見も出されました。
そういうことではなく・・・と酔いにまかせて、今は亡き大阪の大先輩にもかみつきました。
その答えは、印章業界が長らくほったらかしにしてきた「技術の見せ方」という大きな課題であり、場に相応しくない質問をしたことを今でも悔い、さらに自問自答して、今でもこの問題を探求しています。
業界全体が、この問題を放置してきたことにより、今の技術の質量共の低下減少と、ひいては技能検定が廃止になる一歩手前の危機的なる状況を作り出していると思います。
それは、印章の唯一無二の論拠を失おうとしていると言っても過言ではなく、その論拠の技術の在り方を業界が見失った時に・・・。
25年前の青年部の時代は、まだそんなことを考えなくても商売を果敢に取り組めた時代でした。
この春、花見というイベント的なる事はできなくとも、それでも桜は咲きます。
その桜を見て、私ももう少し頑張らねばと思う今日この頃です。
25年前の命題は、未だ解き明かせてはいません。
