侠気

栗みのる六分の侠気秘めながら
【作者】坂本木耳

「侠気」の説明が難しい時代になりました。
与謝野鉄幹の歌に「人を恋うる歌」というのがあります。
♪妻をめとらば才たけて
みめ美わしく情ある
友をえらばば書を読みて
六分の侠気四分の熱♪

音で、この歌を覚えていました。
「侠気」という認識はなく、熱・・・情熱の上を行くから「狂気」かなと思っていました。
今の理解で、自分なりの説明をと問われると次のようにお話しいたします。
熱は、やはり情熱で、自らが一生懸命になっている事象にかける思いの度合いだと思います。
それに対して、「侠気」は自らと他と共に一生懸命にしていくことで、一人で燃え尽きてしまう狂気ではなく、他の為に働く中で自らを生かす道を考えていくという事かなと思います。

先日、東京での技術委員会で、「日夜一生懸命に、会員さんのために努力されている〇〇さんは、組合を愛しているのだね。」というお話が出ました。
嘗ての組合では、そういう人が多くおられました。
そういう人をさして、「〇◇は、他にやることがないんだ。私は組合以外に×△会や#$クラブがあり忙しい。」と「侠気」をさして、揶揄される方がいましたし、今現在はそういう方が若い人の間でも多くなってきています。
色々されている中の一つが組合であったり、技術であったり、講習会であったりと・・・・・・。
他のために出来ることは、自らに帰って来ると思える人が、組合員の減少とともに減少しています。
侠気とまではいかなくとも、四分の熱をもって向かって頂きたいのが、印章の技能検定が廃止される事への対策です。
それだけでは、印章技術の継承とまではいかないですが、格好悪くとも、みじめでもジタバタとあがかないと、土台がなくなり、足もとが崩れ去り、自らの業が無くなるのは必至です。
まずは、共に頑張りましょう!
そして、六分の侠気ある人は、技術継承にも遠い目を持ち続けましょう!

posted: 2019年 11月 13日