還暦

還暦を過ぎし勤めや茄子汁
【作者】前川富士子

朝起きると、既に多くの誕生日へのメッセージが入っているスマホを眺め、「有難うございます。」という何の気遣いもない返事ですが、ボチボチとさせて頂いております。


写真は、連続テレビ小説『スカーレット』の川原家三姉妹の印影デザインです。
「子」 の字が、それぞれ違う変化をしています。
「子」 の字は、幼児の象形だと言われています。
川原家のお父さん常治にとっては、いつまでも3歳の時の娘であります。
嫁にやりたくない、手元に置いておきたいという気持がすごく伝わってきます。
それに、果敢に挑む十代田さん。
陶芸への夢を説明します。
人の心を動かす仕事がしたい。
陶芸家になられた先輩の湯飲み茶わんは、一つ5万(今なら50万くらいだろうか)。
何故、5万の茶碗に人は、お金を出すか。
心が動いたから・・・
そういう仕事を私も追い求めたいと、還暦を迎えて、改めて思いました。
誰にでも、自分にしか出来ない仕事があるはずです。
印章彫刻という分野が、国の技能検定から外されようとしています。
印章彫刻だけでなく、ここ4~5年の間に、随分と多くの手作業が外されてきています。
社会にもう必要のない職種・・・仕事なのでしょうか。
陶芸も同じような状態です。
還暦を迎え、よそ見をせずに印章と向き合ってきた私には、職替えなど考えることもできずにいます。
人の心を動かせるような印章づくりをこれからも追及して参ります。
業界には、求められるところには顔を出し、それ以外は後進に役目と道を譲っていきたく思います。
しかし、技に終着点はありません。
私自身は、ただただ印章に向かうのみです。

お誕生日祝いのメッセージを頂いた皆さま、有難うございました。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

posted: 2019年 12月 13日