この一年
ただひとり風の音聞く大晦日
【作者】渥美 清
狂言師が来りて、狂言のような日本経済の大納会でしたね。
花がある物に人は踊らされてしまうものです。
技術の根幹は、己一人です。
先人や先生、諸先輩に教えて頂いたり、仲間やライバルに影響されることはありますが、技術に向かい合うのは、みんなで向き合いのではなく、己ひとりの孤独な修業であり、自分との闘いです。
以前にもご紹介致しました山口誓子の句に次のような作品があります。
学問の さびしさに堪え 炭をつぐ
学問も芸術もモノを創るということは、向き合う対象は、最終的には自分自身だと思います。
それを強く意識できた一年であったように思います。
印章業界に足を突っ込んでから、技術ということを重んじない商売姿勢が横行する業界だなとつくづく思い知らされてきました。
技術と商売が意識的に切り離され分断され、技術で完成するはずの商品が、誰にでもできるような玩具化されると、本当の技術への攻撃が始まりました。
その過程を長く見て来て、この間(はざま)に埋没すると自分が見えなくなると、この一年に学びを得、多くの気づきを頂きました。
おそらく来年も印章業界はこのまま突き進むだろうと推測いたします。
その風を感じながら、自分の意志を強く持ち、風を切り祓い乍ら突き進んでいきたいと思います。
この一年、拙い私の文章を読んでいただき、誠に有難うございました。
来る年も、技術を研鑽し、きちんとした印章とその役割、印章から学んだ事を皆様にお伝えしていきたいと強く思っています。
ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
