プロデュースの意味とは・・・

たくさんのお休みを頂きましたが、後半風邪をひき、少々体調不良の仕事初めとなりました。
お正月に、二人の息子はバラバラに帰阪してきました。
二日に、家内と長男と三人で京都へ行きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

八坂神社から清水へ、八坂の塔を目の前にしたお店に入りました。
一番奥にあるTシャツの前に来ると、お店のオリジナルの様で、印が捺されていて素敵だなと見ていると、誤字を発見、よせばいいのに、「あっ!間違っている。」と声に出してしまいました。
大印展の審査員をしていると、まず間違いに目が行きます。
いくらきれいに彫ってあっても、綺麗な線が出ていても、文字が間違っていたのでは、全てが台無しになります。
一般の方には、可読性のない篆書体ですが、これが楷書や可読性が高い書体なら、どういうイメージを与えるでしょうか。

「間違っている!」と声を出してしまったので、近くにいた店員さんが「どうされましたか?」と聞いてきたので、逃げようと思ったら、家内が「うちの主人はハンコ屋さんですので、この印の文字が分かり、間違っているみたいです。」と説明してしまいました。
ずいぶん前なのですが、家の近くのお蕎麦屋さんのロゴマークが篆書体風で、誤字に近いと、ご丁寧にも説明してしまいました。
奥から店主が出てきて嫌そうな顔をされ、次からその蕎麦屋に行きにくくなったという過去がありました。

その店員さんには、一応この文字は、別な文字になってしまいますと説明しましたら、上司のような方に話されていました。
今日、店で業界団体からの字書を見てみますと、正解の文字の隣に、誤認されたであろう文字がありました。
そう、一行見誤れたのだと思います。
フォント文字ではないようです。
京都の知り合いの職人さんだったらどうしよう・・・。

その後、そのお店の商品を見て回ったのですが、何か少し色あせて見えてしまいます。
本物や伝統を謳っておられるのですが、それも嘘くさく玩具のように感じました。
そのお店をプロデュースしたのは、めちゃくちゃ有名なデザイナ―です。
多くの著書を出されて、何冊かは私も読んでいて、考え方には大いに共鳴するところがありますが・・・そして、プロデュースの力は凄い影響力を持っています。
本物をプロデュースするのは、本物を知らないと難しいが、お金儲けは別世界かなとも感じました。

Tシャツの印は、4個であったと記憶しています。
そして、印は全て小篆風でした。
生意気にもご助言指をさせて頂くと、京都には京印章というカテゴリーがあり、印篆で文字構成をすると、更に京都らしさと風格が出るかなと思います。
どこかで手を抜くと、折角のプロデュースがおじゃんになるので、気を付けたいものですね。

posted: 2020年 1月 6日