旅はまだ終わらない

助からないと思っても 助かって居る

【作者】河井寛次郎

 

3月は、減少傾向であった印章需要にさらに拍車がかかったように感じます。

お忙しくされている印章店も、実用印章以外のお仕事が繁忙期を何とか支えているように感じます。

大阪の某印材メーカーも昨日付けで廃業されたようです。

中国産や圧縮黒水牛が多いなか、良いモノを提供いただいていたところなので、当店にとって痛手であります。

当店も前年に比べるとかなりの落ち込みであります。

それでも当店をお選び頂き、ご来店下さるお客様を大切に、日々印面に向かわせて頂いております。

印章文化を重視してくださる声は多く健全なのですが、印章店が無くなればハンコは無くなります。

 

 

この間の日曜日に、NHKの「日曜美術館」で再放送「美は喜び 河井寬次郎 住める哲学」をたまたま見ました。

https://www.nhk.jp/p/nichibi/ts/3PGYQN55NP/episode/te/9172NKYWWJ/

 

河井寛次郎記念館の学芸員であり、柳宗悦のお孫さんである鷺珠江さんが出ておられました。

私の大好きな言葉「助からないと思っても 助かって居る」とう河井寛次郎の言葉を紹介されていました。

「悩める時、病める時、苦境の時に助けられる言葉です。自分ではもう助からないと思っても、その後ろには大いなる力があり、決して諦めることはない、終わりではないという思いで捉えています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月の初めに毎日新聞より取材のご連絡を頂きました。

今朝の朝刊(関西版)「表現者たち」欄に掲載されました。

https://mainichi.jp/articles/20240402/ddl/k27/040/298000c

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月の個展に向けて私の魂が「大いなる力」に励まされているような気がします。

しかし、今までどおりの「努力」は必要です。

『工藝とは何か』のなかで曹源寺老師は、次のように話されています。

「・・・他に寄りつかない、くっつかない、ということが大切だと思います。そのなかから、作品、その人の持っておられる能力、はたらきが生まれてくると思うんですね。ですから作品をつくられるその目。ものを見る目、その目を、どこまでも大切に掘り下げていかれる。その努力は必要だと思います。」

 

 

 

これを読んだとき、中島みゆきの歌が聞こえてきた

ヘッドライト・テールライト

旅はまだ終わらない・・・

だから、一筋の道は楽しい。

 

 

posted: 2024年 4月 2日