withコロナ社会における技術継承の在り方

わだつみに物の命のくらげかな

【作者】高浜虚子

 

コロナウイルスの感染が再び全国拡大する兆候を受けて、この日曜日に予定していました7月の印章技術講習会の休講が昨日決定されました。

大阪の感染者数が二日連続で60人超えということもありますが、他県よりの受講者が多いということが一番の決定理由であります。

命よりも大切なものはないと思います。

命あっての技術です。

しかしながら、5か月の休講となっています。

その間、通信添削を行っていますが、一人ひとりの手が止まっていることは確かです。

今、印章店で手で仕事をしている所は大変すくない状態です。

講習会に技術を学びに来ていても、お客様渡しはPC型彫刻機でされている所が悲しいかな多いのが実情です。

講習会の課題や競技会の作品作りで、印刀や仕上げ刀を握るが、仕事では使わないという本末転倒状態です。

この頃は、作品作りでも筆を使わずに、マジックで書いたものをパソコンに読み取り、パソコン機能を使い修正してプリントアウトして印面転写をされ彫刻されるようです。

古い私などは、それが手彫りなのかという疑問を持ちます。

そんな事を言うなと、お叱りの声もあるのかも知れませんが、臭いものに蓋をして、見て見ぬふりをしてきたから、こうなってしまったと思います。

だから、技能検定の受検者が減ったと考えられるのではないでしょうか。

全国的にも講習会や研究会があるところは、限られてきていますが、コロナの為に中止や休講が続いていると思います。

手を動かす指導と、それがないところも多いとおもいますので、全国組織からの援助が求められると思います。

令和3年度後期の技能検定の実施を声にすると、反対される都道府県組合組織があるとも聞いています。(技能検定の実施は、各都道府県組織です。)

これをとっても、技術を軽視していると言っても過言ではないのです。

組織のトップの意識が、組合員さんや会員の意識を決定してしまっていて、技術に対しての危機感なしと、それは技術者や有資格者の技能士においても言えることです。

withコロナ社会ありきで、ではどう技術継承に対応していくのか、命を優先して、技術を指導していく現場を作り出していくのかを真剣に議論し始めないとあっという間に、1年が過ぎるような気がいたします。

posted: 2020年 7月 17日