「印章の日」啓発ポスターから考える

七月のなにも落さぬ谷時間
【作者】秋元不死男

先輩を見習ってスマホの予定表を使うようにしています。
行動記録としても残り、昨年の今頃は何をしていたかを見ることが出来ます。
1月と2月に何をしていたかと家内に問われ、スマホの予定表を見てみました。
ゴム印彫刻の技能検定で忙しかったのを思い出しました。
その後、3月、4月、5月と予定表には何も記されてはいませんでした。
あっという間の、コロナ騒動での半年間であったように思います。
何もしなければ、半年を棒に振ったことになるでしょう。
コロナだから、ステイホームだから、行事をせずに代替を見つけることに終始すれば、それで終わりのように思います。
今までやってきたことを、どう工夫して前に進めるかとか・・・
商売において、減収減益が続く中で、本質を歪めないようにwithコロナ社会をコロナ後の社会とどう取り組むかを考えてきた人には、有効な期間であったことと思います。
コロナは、今まで蓋をされて誤魔化してきたことを全てさらけ出したように、ここ数日、それを感じざるを得ない話や事象を目や耳にしました。
大事なことは、常に本質を見つめ続ける事かなと考えるようになりました。

写真は、10月1日の印章の日の啓発ポスターです。
言いたいことは、凄く真っ当な事だと思います。
しかし、消費者を脅しているようにも感じます。
印章の価値が低下したのは、私は消費者の責任ではないと思います。
コロナで浮き彫りになったことは、一つだと思います。
リモートワークの障壁となったオモチャのようないい加減な印章とその在り方だと思います。
リモートワーク中でもしっかりと意思表示をしなければならない時に、回数を減らして、その時を熟考して会社に赴き、会社を代表して想いを込めて捺印できることの価値を感じられる「きちんとした印章」を印章業界は世に輩出してきたのか、それ相応の努力をしてきたのか、継承現場を重んじて、技術を大切にしてきたのか・・・
そのことが、問われた唯一の事だと私は感じています。

ポスターが字だらけというのは工夫がなく、このことは公益組織としてマスコミや様々な発信経路を使い、もっと早く世に出して頂きたかったと思います。
字だらけのポスターは誰も読まないと思いますが、9月くらいに掲示すれば、さらに効果が落ちると思い、今日から店頭に貼らせていただきます。

posted: 2020年 7月 2日