技術の延命策

暫くは五月の風に甘えたし

【作者】柳家小満ん

 

昨日より緊急事態宣言下のゴールデンウイークに入りました。

今日はお仕事の方もいらっしゃると思います。

まもなく五月ですね。

昨夜、私のブログにコメントを入れてくださいました。

以下、そのコメントと返信です。

 

コメント・・・「私の勤務する職場にも今年度からとうとう電子決裁なるものが導入されました。結果押印するという行為が忘れられつつあります。印章は不要なので回覧板にも氏名欄にチェックでいいよ等先生が以前言われたとおり認印を無くせば皆印章を忘れていきます、今実印銀行印は必要と言ってくれている!と強がる業者さんもいるかも知れませんが、では今の我々中堅世代が老年になった時今の認印を使わない若者達が印章を思いだし職人を探して購入するのか?答は明白です。ではどうしろと言っても私には分かりませんがこの様に日本の伝統が消え去っていく瞬間をみると寂しい限りです。」

返信・・・「コメント有難うございます。

私のお店周辺は、大阪の官庁街で、その外郭団体もたくさんあります。

お客様のなかには、そういう関係の方もいらっしゃり、まだデジタル化されていない回覧の確認欄に以前ならインキの浸透印も含めたハンコを押していたのに、ハンコを押すと怒られる、レ点でチェックを強要されるとのこと。

今朝の毎日新聞の4コマ漫画で、固定電話が骨董屋さんで高く売れるとのことを聞いた若者がコードを指して、盗難防止用のヒモと言うシーンが描かれていました。

やがて、認印もそのような骨董品になるのだろうか、印章店や100均で売られている樹脂製の既製の認印はマイクロプラスチックとして海洋生物に悪い影響を与えるゴミとして揶揄されるのだろうか。

はんこレスは、ただ印章を骨董品やゴミとするだけでなく、それに携わってきた名も無き職人たちとその技術をも捨て去ってしまいます。

その傾向は以前より業界内部にもありました。

地道な後継の技術教育を促す努力をせずに、スローガンとして唯一無二を説き、実際の仕事はパソコンを使用した玩具印章を提供して来たという内部矛盾がコロナ禍により露呈してきたことと察します。

私達、本物を求めるハンコ職人が出来る事は、残された実印という概念の印章を精魂込めて作製して、その技術の延命にあたるしかないと考えています。

これをお読みになった消費者の皆様、実印の必要事項は急に降って湧いたように皆様に求められます。

その前に、是非とも技術を継承しているハンコ職人のお店を探して頂き、お求めくださることが、その技術を延命させる一助となる事を心よりお願い申し上げます。」

posted: 2021年 4月 30日