「#本物の印鑑」に投稿お願いします

約束はただのあじさいだったのに

【作者】なかはられいこ

土曜日に放送されたNHK・BSPの「京都人の密かな愉しみBlue修業中 門出の桜」・・・面白く見させてもらいました。

自分の仕事に懸命に努力することが、自分の人生や生き方に深みをつけていくと考える京都の修業中の若手職人たち。

ドラマ以外に、そんな若者や職人を見出す事は難しい時代になってきたとするのは、年齢のせいにしておきたく思います。

ドラマの中で、柳宗悦「用の美」(柳宗悦はこの言葉を使ってはいませんが)や民藝・バーナードリーチ・濱田庄司という言葉が出てきたのには少し驚きました。

 

大印講習会に九州宮崎から毎月、最初は講習生として今は講師として通って来てくれているSさんが、インスタグラムで面白い企画を考えてくれました。

篆刻では、「8時だよ!全印集合」というインスタグラムの企画があり、多くの投稿が土曜の夜8時に見られます。

篆刻は芸術・美術分野で奥が深いものでありますが、誰でも気軽にできるという利点もあります。

勿論篆刻をされている人は、実用印章を彫刻される人よりも多く、始まりからそんなにたたないうちに、いろんな人が投稿されています。

それを羨ましいなと思い、実用印章は毎日印面に向かいあっているが、それをそのまま、他の工芸のように作品として画像は投稿は出来ません。

印面はお客様の大切なセキュリティーだからです。

かといって、業界内の競技会や展覧会の作品を一般消費者が見る機会も場も日常としてはありません。

これらをもっと「デジタル展覧会」にして頂きたいのですが、おそらくしないだろうと思います。(かなり声高く叫んできていますが・・・)

まだ印章業界が活気を呈していた頃、大競技会のトップの作品郡を印章啓発のために某週刊誌に掲載されたことがあります。

スゴイなと、当時駆け出しの私は、私も週刊誌の啓発宣伝にのるように頑張ろうと思いましたが、これにケチが付き一回で終了しました。

特定のお店や職人の宣伝になるとして、それ以降掲載されなくなりました。

それを聞いて、度量が小さい業界だなと思いました。

だから、デジタル作品展を特定の業界団体がすることは難しいと思います。

それが流布され、一般消費者の目に行き渡れば、あの大臣賞作品のようなイメージの印影といわれても、出来るお店が大変少ないのです。

みんなパソコンフォントで印章を作製しているのが実情です。

それに対して、今回のインスタグラムへの企画発案者のSさんは、「ネット上での見本印影は、パソコンの文字ばかり。一般消費者もパソコンの文字の判子が当たり前となってきているように思えます。 そこで多くの一般消費者に本来あるべき姿の印章を伝えていきたいと思いInstagramに作品をアップする場を立ち上げました。」という趣旨のもと、インスタグラムから印章を盛り上げたいと呼びかけました。

フォント禁止以外には、あまり制約がなく、書体の規定なし、上手下手関係なし、作品への批判なしくらいです。

お客様への仕事以外に仕事をすることを、わりと嫌がる職人が多いのは事実です。

「めんどくさい!」の一言。

ですので、競技会への出品作品も一部の出品者に偏り、減って行っているのが現状です。

それらを卒業された方も、技術講習会に通っておられる若き技術者も勇気を出して、投稿してください。

競技会方式でなくとも、普段お店でお客様にお渡しされている得意なやり方で構わない、いやそれが一番重要だし肝心な啓発だと思います。

嘗ての『印の畑』印章講習会や技能グランプリの戦友の皆様、後進の奮闘に応えてあげてください。

私も投稿しました。(印文は「徳川家康」です)

よろしくおねがいします。m(__)m

https://www.instagram.com/hankoshokunin/?hl=ja

 

 

 

posted: 2022年 5月 30日