若手を支援するとは
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の本庶佑さんが、若手研究者を支援する基金を京大に設立する意向を示されていると報道がありました。
立派な方だなぁ~と思うのと同時に、いろいろ考えないといけない問題が基礎研究だけでなく、社会の在り方や方向性の問題なのかなと考えさせられました。
本庶さんは国の科学研究予算について、国主導で大型プロジェクトを決め、多額を投じる「選択と集中」型の現状に疑問を呈しています。
1日の受賞決定後の記者会見でも「多額の研究費を1人(に集中するの)ではなく、10くらいの可能性を追求した方が生命科学は期待できる。若い人にチャンスを与えるべきだ」と指摘していました。
また、「若い人が(研究に)人生をかけてよかったなと、思えるような国になることが重要ではないか」。京大の2日の会見で、本庶さんはこう語りました。
印章業界の環境と類似しているなぁ~というのが率直な感想です。
技術の在り方というとスローガン的に上がるのが、技能検定の推進、展覧会や各種競技会、印章展での啓発・・・であります。
スローガンから最近では、それへの言動や目につく行動の具体化が見られないので、お題目ではないかなという疑問があります。
それよりも重要な事は、基本技術を継承するための講習会や研究会への支援や援助が具体的になされていないことに、随分前から疑問を持っていました。
そして、それらの講習会や研究会は、組織内や地域内というセクト的思考を廃して、もっと多くの希望者に開放されてなくてはなりません。
そして、多くの若手技術者育成に真剣に取り組まなければならないのが業界の緊急課題であると提言いたします。
本庶さんの言葉を借りるなら、「若い人が(技術に)人生をかけてよかったなと、思えるような印章業界になることが重要ではないか」と私も叫びたい気持ちでいっぱいです。
本庶さんは会見で、「基礎研究から応用につながるということは決してまれではない。しょっちゅうあるわけではないが、そういうことがあると実証できた。基礎研究を長期的な展望でサポートすることが重要だ」と強調しました。
印章業界も明日のことや、年内計画、2~3年後の実行計画のみを話あうのではなく、5年後、10年後の在り方を議論して、今が印章史においてどのような時期なのかを大局観を持ち社会に発信していく必要があるのではないでしょうか。
