良い判とバッタもん

毎朝、はんこの神様と言われた関野香雲先生のお軸に向かい
「判が上手く彫れますように。」と朝のご挨拶を日課としています。
最近の気づきなのですが、少し違うなと感じて改めております。
「判が上手く彫れますように。」
ではなく・・・
「良い判が彫れますように。」に変えました。
何が違うのでしょうか?
そう
視点が違うのです。
「判が上手く彫れますように。」というのは、自分視点です。
自分の観点で、自分の技に対する自己満足です。
それに対して、
「良い判が彫れますように。」というのは、
使用者視点です。
使用者にとって良い判、良い印章
それを目指さなければなりません。

国会でデジタルファースト法案(今後、デジタル手続き法案となるらしい)の中で、印章に関する記述が取り除かれることとなったと業界政治連盟より報告がありました。
ほっと一安心ではなく、これを機に良い判とは何かの規範作りと発信を業界を挙げてして頂きたいと強く思います。

朝ドラ『まんぷく』では、萬平さんのつくった「まんぷくラーメン」のバッタもん(偽物の商品)が出回り、悪質業者をみんなの力で駆逐しました。
印章業界もバッタもんで溢れています。
それがバッタもんであるという認識すらなく、開き直っていると、デジタルファースト法案の次の大きな問題に対峙することとなると思います。

明日から、良い仕事(印章においては、良い判)を目指す全国の職人の技の競技会である
第30回技能グランプリが神戸にて開催されます。
印章木口彫刻作業において、お手伝いに2泊3日で行ってきます。
嘗て選手として6回も参加させて頂けた恩返しができることをとても嬉しく、全国の良い判を目指す職人達の熱気に触れられることをとても楽しみにしています。
その間、文章を書けないと思います。
それでは、また来週・・・。

posted: 2019年 2月 28日