没デザイン

蝉時雨一分の狂ひなきノギス
【作者】 辻田克巳

東日本の冷夏を伝えるニュースに反し、蒸し暑い朝を迎えた大阪です。
ノギスは一分の狂いなく常に正確な数字を示してくれます。
人は、蝉時雨のような集中力を欠かせるような邪魔に対して間違ったり、やる気を失くしたりします。
ノギスの正確さを誇っている句ではなく、蝉時雨が聞こえ入って来る工場で、暑さや騒音に邪魔されながらも、ノギスを使用して正確な仕事をしている職人さんの集中力にスポットがあたっています。

連休の二日間、仕事量調整の為に休日出勤していました。
彫刻も少しは進みましたが、主には完成デザインを考えていました。
なかなか気に入ったレイアウトや文字の形、線の美しさが出ずに、鉛筆で書いては消し、ロットリングペンで書いてはホワイトで修正していました。


少し疲れました。
疲れると集中力の衰えを感じます。
仕事の数としては、あまり進みませんでした。
そこで妥協すると、結局ノギスに使われる人となります。
正確な数字に振り回されるより、自らの感性を信じ、自惚れることなく、納得いく仕事に向かい合います。

お休みがありませんでしたが、今週は健診や法事、やんごとなき寄合や技術講習会もあります。
疲れていますが、お客様をお待たせしています。
少しでも前に進めます。

※写真は全て没デザインです。

posted: 2019年 7月 16日