職人の精神

連続テレビ小説『スカーレット』が、面白い。
流石に『夏子の酒』の脚本を担当した水橋文美江さんの本だと感心しています。
モノづくりへの姿勢をきちんと表現されています。
ともすると、雰囲気や恰好だけの職人を取り上げるドラマが多い。
今日も、八郎さんが「このコーヒー茶碗で美味しそうにコーヒーを飲む人の笑顔を思い浮かべながら作るんや。フカ先生が踊りながら楽しそうに絵付けをしはるみたいに」というと、「絵付けとは全然違う」と喜美子はコーヒー茶碗を作陶する難しさを口にした。
八郎さんは、「そんなことはない。モノづくりに共通することは、使ってくれはる人のことを想って心を込めるということや。それは必ず伝わる。」と・・・

ドラマ上では、昭和35年になっています。
昭和51年には、陶磁器製造部門として、手ろくろ成形▽機械ろくろ成形▽鋳込み成形▽絵付け▽原型製作-の五つの検定が新設されました。
おそらく、そういうことはドラマの上では出てこないことだろうと推察します。
『夏子の酒』も減反や農薬という原作では描かれていたことが、シナリオ化されていません。
今や、伝統工芸のみならず、日本のモノづくりやその精神が危機に瀕しています。
印章も陶芸も来年の技能検定統廃合検討会の検定廃止という議題に上っています。
陶芸の業界のことは、よくわかりませんが、おそらく印章とよく似た状況なのかなと推察できます。
職人、陶芸家、信楽焼ということでは、良きキーワードとなっているのかもしれませんが、そのままにしては、それで終わります。
大切なことは、八郎さんが言われた「想いを込めた心は、必ず伝わる」という職人の精神だと思います。
それを引き継ぐためには、なんとしても技能検定を継続させる業界を挙げての努力が求められます。
印章に於いては、業界の意識を疑うようなお話や技能士のところにおいても職人同士を分断する操られの単独プレーが目立ちます。
職人は一つに纏まらないというのは良く存じていますが、経営者的視点から考えても、このままでは印章そのものが・・・と毎日の『スカーレット』を見て考えています。

posted: 2019年 12月 17日