技術や職人を大切にして来ましたか

スマホの普及やデジタルの進展をあげつらい「伝統性を錦の御旗にしていても社会から取り残される」というコロナ以前の論理を未だに振りまいているようでは、到底デジタル化の波にたちうちできない、貧弱な印章業となります。

印章業は、今よりも小さな業界となることは確かであると思いますが、伝統や技術の在り方に目を向けなくなると小さなどころか消滅していく事だろうと推測します。

技術や伝統という土俵のなかには、相撲ではないですが、金が埋まっています。

それを彫り出すのは、並大抵の苦労ではできません。

観客席からヤジを飛ばしていた方が、うんと楽なのです。

技術を研鑽している?からそれでOKと思っている人も多いです。

問題は、技術がきちんと業界内にさえ伝わっていないし、伝えようとする努力をしていないということです。

名古屋での2級技能検定対策講座(愛知県印章技能士会主催)では、地元名古屋は勿論、岐阜県や静岡県からも足を運んで下さり、熱心に私の話を聞き、講座を受講されていました。

組織、団体の枠を超えて、某問屋さんが印章を扱っているお店対象に大活躍していただき、声をかけていただくと、今までどこに尋ねればよいか分からなかった技術の在り方を求めて、20名もの技術を求める人が集まりました。

コロナウイルス感染防止対策のために、20名を超えた方はお断りしていたと後で聞きました。

ほかの所でも、動けばその傾向があると聞き及んでいます。

コロナ禍後日本での在り方は、デジタルとの共存という曖昧なものではありません。

おそらく、スマホの普及のように電子印鑑という在り方が他業界の一部として移っていくなか、その内に印影という在り方も消えゆき、別物の認証の在り方、ビジネススタイルの一形態として変化していく事だろうと予測します。

しかし、それは「おしで」の日本に根付いた印章の在り方とは、本義を別物にするものであるという事が、日本的ではないということが、理解の方向性で進んでいくと思います。

その時に印章が引き継がれる事を前提に動き、残していく事が肝心かなと考えます。

「伝統性という錦の御旗」を折るもの達に、印章としての未来はありません。

 

posted: 2021年 7月 9日