印刀はもういらない?

2級技能検定の実技試験は印刀という荒彫り刀を使用しなくともできる課題に平成27年度試験から移行しました。

 

印刀はもういらないのかな・・・

 

中国から漢字と同じように伝来されたのが、現在の印章なのですが、彫刻方法は西洋活版技術を用いた日本独自の方法です。

 

基底刀という印刀を用いて、仕上げ刀という片刃の刀で線を作っていく彫刻方法は、西洋活版印刷から分離していった木口木版と言う版画の彫刻方法とも少し違います。(木口木版は仕上げ刀を使用しませんし、判と版の違いがあります。)

 

日本の実用印章(木口)は、中国から伝来した篆刻技法の彫刻方法とは違う方法で作製されています。

 

日本の印章が、シルクロードの最終地点の正倉院へとメソポタミアから伝来したという事実をご存知な方でも、これを知らない方は多く、日本の印章には独自性があり、実用に根を生やすことが出来た由縁もあるということが、その彫刻方法からもうかがえます。

 

その印刀がいらなくなってきています。

 

良い悪いの問題ではなく、唯一無二を掲げなけらばその存在価値を否定されてしまう印章ですので、技能検定が継続されれば、ますます彫刻の規範を世に表明する必要が出てくることでしょう。

 

また、それと印刀無しの技術的な講習も試行錯誤していかねばならない課題であると考えます。(2級対策講座のような講習会と判下作製講習のようなもの)

 

それは、あくまで印章業を残す課題でありますが、本物を残す課題ではありません。

 

鍛冶屋さんが激減する中で、刀鍛冶のみが継続されていることに、本物は学んでいかねばならない。

 

印章が自然と刀と同じようにはならないし、印章業自体が継続しないと、そのうち捨てられていくかもしれませんが、技能検定とは別物としての存続課題があると考えます。

 

https://ameblo.jp/kiann1213/entry-12180256526.html

 

posted: 2021年 7月 13日