第一に愛、第二に技術。

第一に愛、第二に技術。

by建築家アントニ・ガウディ

 

サグラダ・ファミリアの主塔完成記念式典で、夜空に没後100年のガウディの自画像と彼の言葉を作り出すドローンでの演出を今朝のテレビニュースで見ました。その言葉を検索してみると「物事を上手くやるために必要なこと。第一に愛、第二に技術。」とあります。

 

日本の印章業(印鑑屋さん)の起こりは、(公社)全日本印章業協会の『印章教科書』によりますと、次のように記載されています。

「この頃(戦国時代から安土桃山時代)、実名印(後の実印)が商人の間で使用されるようになり、これに伴って、専門の印判師が出るようになりました。秀吉が3人の板版師を選んで、印判師になるように命じ、細字の姓を与えました。これが後の印章業者の元祖となり、京都、金沢には、現在その子孫が残っています。」とあります。

細かいところに異論もあるでしょうが、大まかにはそういうことだと私も思います。それから延々と今日まで続いてきているのが印章業であります。何故続いて来たのか、世界で唯一の印章制度とそれにまつわる法律があるからだと考えられます。しかしながら、そういうことにのみに依拠していると、社会に制度的変更やそれに伴う押印機会の減少が、印章の価値を低下させてしまいます。その時が今で、そう言う状況下で、「ハンコは本人の意思を確認するための強力なツールとして法的に認められている」という正論(上から目線)ばかりを述べていても、社会から受け入れられるとは到底思えないのです。現に需要が減り、印鑑屋さんが減ってきています。どうにかしないといけない状態です。明治の「廃刀令」で召し上げられた刀は、その後に美術刀剣としての位置を確立して現存しています。令和の「廃印令」により生じてきている印章を取り巻く環境悪化は、このままでは今の刀にもなり得ない、価値低下の進行をくいとどめないといけないと考えています。今の需要は、先輩方がつくりだしてくれた余波であります。今年の急速な需要減をみていても、5年後、10年後、どのようになっていくかは、却って消費者の方かよく知っているのかもしれません。

 

 

ガウディは第一に技術とか経営とか、組織論ということではなく、第一に愛といっています。愛という根本思想があれば、その他は後からついてくると思います。敢えて第二に技術を上げているのは、それを疎かにしてマーケティングだの経営論だのと息巻いても、継承なき技術は、もう元の技術ではなく、本質から外れた在り方しか提示できないモノになっているからということを、この間、いやというほど見てきました。しかし、そんなことよりも愛が第一なのだということが、私も今頃になってガウディに共感できるようになったのは、新商品である『OSHIDE』の企画立案をさせて頂き始めてからです。印章において「愛」は「約束」であります。いろんな人の愛にもお世話になり、神様からの愛にもお世話になり、さあ!忙しくなり始めました。みなさん、よろしくお願い申し上げます。

posted: 2026年 6月 11日