フォント文字で作る印章は印章?・・・その2

最近、「フォント文字で作る印章は印章?」という疑問を投げかけていますが、こういう疑問を問わねばならなくなった背景に、印章業界の継承現場軽視があります。
フォント文字を使用して、それと連動している彫刻機で彫れば、何ら技術もいらなく、パソコンを作動させる能力のある人なら、印章や文字の専門知識を有せずに、印章(?)を作製、販売出来てしまう市場になってしまっています。
その為に、印章を彫刻する技術よりも、商売の経営論に長けた方や、ネットビジネスに詳しくなることが、業界の成功者という虚像を与えてきてしまいました。
これが、スローガン(写真)からは大きく隔たりのある現実の市場であります。


継承現場を重視し、きちんとしておけば、そういうことは軽傷で済んだのかも知れません。
また、デジタル化が進んできても、印章の社会的存在意義は大きくその唯一無二性を唱えられたのかもしれません。
今や遅く、後の祭りです。
印章職業訓練校の休校(廃校)
各地の技術講習会の形骸化
・・・
そうして今、技能検定が厚労省の統廃合検討会にかけられ、3年に一度の受検者を100名集めることのできない業界となってきています。
印章の唯一無二性が問われ、コンピューターやAIにそれを依拠しだしました。
コンピューターやAIに頼るなら、間の印章は不必要になるのは論理の必然性だと思いますが、回りくどい事をして自らの首を絞めています。
自らの首を絞められたものは、印章に深い想いはなく、ビジネス論を他に展開していき、生き延びれる輩です。
しかし、職人はそんな応用編は持っていないのが常であります。

再度しかし、本物は冬眠時代を経ても生き残るのです。
今は、戦国時代ではありませんが、刀鍛冶さんはおられます。
常に使用する器や花器ではありませんが、喜美子のような陶芸家の芸術作品は、陶芸技能士がいなくなっても生き残っています。
着物も普段着ないものですが、まだまだ本物は存在しています。
ただし、本物でなければなりません。
資格(一級印章彫刻技能士)であることや、技術の会、印章組合や何とか会に所属しているというだけでは、信頼と社会から価値ある存在としては認められないでしょう。
益々の精進と技術の研鑽が、一人ひとりの職人に求められます。
そういう時代に入りつつあります。
フォント使用の大量販売型のビジネスモデルに勝つ大きなチャンスとも言えます。
ピンチをチャンスに転換しましょう!
意識ある印章人のみなさん。

posted: 2020年 2月 8日