技術継承現場はアナログなのに
あいまいな空に不満の五月かな
【作者】中澤敬子
世はデジタル化に向かう社会で、脱アナログのスピーディな生活を求めているように感じます。
デジタル化≒スマートな生活とつい思いがちでありますが、コロナワクチン接種の予約状況を見ていてもそうとも言い切れないなぁとも考えてしまいます。
印章製作の基本技術を習得するということは、アナログであります。
自らの技術が今、どのあたりにあるかをチェックする場が、嘗ては多くありました。
今残るのは、大印展(大阪府印章業協同組合主催)と全国印章技術大競技会(公益社団法人全日本印章業協会主催)の二つとなりました。
大競技会は隔年開催です。
大印展は毎年開催でしたが、今年隔年開催を表明し、大競技会のない年の開催となります。
嘗ては、業界誌の誌上講習会(毎月)や各地の競技会、講習会が多くありました。
その作品作りに追われたものです。
当時は、追われたという認識でしたが、毎月のチェック機能が全国的技術の向上に大きな役割を発揮してきました。
今、デジタル化社会なのに、そういうチェック機能を果たすものは、ドンドンとなくなり、過去の印影や情報ばかりが過多になり、自らの技術をチェック出来る場も人もいなくなり、独りよがりな仕事となり始めています。
これは、印章だけの問題ではなく、技術継承があり成立する世界の減少を意味するのかなとも思います。
とても便利なデジタル化、我が業界もそれに準えようとしています。
あちらこちらで、その断片を感じざるを得ません。
それは一見良い事に見えますが、本義をドンドンと潰していることに気が付けばと強く訴えたい。
自分は手で覚えてきた技術があるから、それでOKでは、技術は繋がりません。
自分の所だけ何かをしている、それでも全体としたら疲弊していきます。
それで、良いのでしょうか・・・。
