市井の一はんこ屋おやじのつぶやき

金曜日に帰阪した次男は大雨だというのに、那智の火祭りを見に行っています。
朝から涼しく、雨もぱらつく木の上で、仕方がないように蝉が声を合わせていました。

世はデジタル化の話で溢れ、商品を買うのに現金もいらず、数字が頭をかすめて支配されているような気が致します。
そういうなかでも、印章という商品はアナログを好む商品であり、その本質を求める消費者は量産やスピードを嫌い、きちんとした技術力のある印章を求められています。
先日も、ご親戚が印章店を営んでいたが廃業され、その当時のような手作業のきちんとした印章を探したのだけれど、既に町には印章店が見られなくなって困っていたというお客様がご来店されました。
ネット通販を見ていると、人が作っている感のないものが多く、どうも昔の親戚のはんこ屋さんとは縁遠い技術の見えない印章であるとおっしゃられていました。
きちんとした印章が欲しい。

お蔭様で仕事に恵まれています。
本日も休日出勤で、仕事量の調整を行っています。
昨日も完成デザイン(印稿)のみで丸一日
書いては消して、納得いくまで美しい線とバランスを見出す。
納得いかないものは、ゴミ箱行き
手を抜かず、印面に向かう
精魂込めますと言い切れる仕事をすると、必ずお客様は目を向けてくださいます。
時間に追われる仕事では、それが出来ません。
妥協の産物をお渡しすれば、その時点で次はありません。
競技会や展覧会に出品する以上の気持ちと時間をかけて
ですので、若い時のようにあちこちにパフォーマンスに出かけられません。
今ある私のお客様の仕事を全力できちんとお渡しできるように
今日も頑張ります!

(市井の一はんこ屋おやじのつぶやき)

posted: 2019年 7月 14日