印章業界の技能検定について思うこと

天高く梯子は空をせがむなり
【作者】仁藤さくら


自宅マンションをリホーム中ですので、仮住まいからの通勤です。
実は通勤時間5分もかかりません。
通勤は楽になりましたが、更に歩かない状況が一月は続きます。
(写真は、店に避難している自宅の植物)

今回の令和元年度後期技能検定に印章彫刻職種で、長らく休止状態であったゴム印彫刻作業が、今回を最後に廃止が決定されています。(試験実施は、来年の1月~2月)
その最後のゴム印彫刻の技能検定に奔走していて、感じるところがありますので、記しておきたいと思います。
つい最近まで、技能検定が印章業界から無くなるのは、受検者がいなくなってきたという要因のみかなと思っていました。
だから、受検者を増やすためにも全国各地の技術講習会や研究会を活性化しなければならないと、ブログやこの場で懸命に述べてきましたし、自らの地元の技術講習会活性のために微力ながら尽力してきました。
しかしながら、それも大きな要因ではありますが、さらに大きな要因として、技術講習会の運営もそうですが、技能検定の実施運営に携わる人の枯渇というか、消滅状態があると思います。
私の地元組合でも、同様の傾向があります。
それは裏を返せば、人がいないという事と共に、技能検定や技術関連のことが後回しにされているということを意味していると思います。
そこに質量ともの力を注いでこなかった結論が、技能検定を印章業界から失くしていく結果を導いたと私は思います。
今回最後のゴム印彫刻の技能検定も大阪会場が、群を抜いて多く、あとは・・・全国的取り組みとして位置づけられていないと思います。
位置づけているというのは、あくまでスローガン的方針であって、各都道府県の開催状況を見ても、それと大きく離反していることが如実に示されています。
技能検定すらできない業界に明日はありません。
それは、受検者減少という問題にすり替えて、その対策や印章業における技術の位置づけの具体化を後回しや付け足しにしてきた代償だと考えます。
現状では、さらにこのことが助長されて行くと思い、大阪組合の幹部の方にはご報告させて頂いております。

私の言うことは理想なのかも知れません。
その理想に届く梯子は確かに現在ありません。
一つひとつの梯子は、健在です。
その一つひとつの梯子は、空という理想を求めています。
どうか、一つひとつの梯子の想いを見捨てないでください。
一つひとつの梯子を繋いでいくことが今求められていると思います。

posted: 2019年 9月 4日