トライアルの空気

母情より父情がかなし大試験
【作者】田島 澪

大試験は春の季語ですが、私の心情に近いものを感じる句です。

ゴム印彫刻作業の技能検定は、実技試験を各都道府県単位で実施されます。
学科は全国統一の2月2日ですが、実技試験は早いところでは、もうすでに終わった所もあります。
大阪は、26日の実施です。
この連休の日曜日は、トライアルでした。
トライアルとは、本番の試験同様に行うものです。
今まで、作業を仕事や家事で通しで出来ていなかった受検者が、通しでしてみて、作業の時間配分などを考えるために行われます。
実施会場には、時折のぞきに行っていたのですが、会場のドアを開ける音も気を使うようなシーンとした緊張感が漂う空間となっています。
スマホを家に忘れましたので、その風景は残すことはできませんでしたし、たとえパチリと写真技術のない私が写せたとしても、その空気感はとらえることが出来なかったと思います。

技術、技術とか・・・
技能検定が危ないと会議の席上や紙の上で述べられている幹部の方にこそ、見て頂きたいトライアルだったと思いました。
組合幹部の方へのお願い・・・
技術が大切で、それが伝統や印章文化の立脚点とお考えならば、是非とも身近なトライアルを見学に、また技能検定会場に許可を事前にとり、見学されることを切にお願い申し上げます。

あれやこれやと受験生のお世話をして身近で力となるのが、受験生の母親です。
父親は、あたふたと見守るだけの悲しさがあります。
見守るぐらいはして頂かないと、その心情は理解できないと思います。

posted: 2020年 1月 14日