技術空白期間への懸念

人も見ぬ春や鏡の裏の梅
【作者】松尾芭蕉

非常事態宣言発令中の大阪は好天です。
中止、中止、延期という言葉が、あらゆるところで飛び交っています。
はんこ屋さん組合の技術講習会も3月より休講状態です。
春は総会時期でありますが、はんこ屋さんの地域支部の総会も延期となりました。
4月25,26日に予定されていた全国印章技術大競技会の審査会も延期となりました。
しかし収束するかどうかは分かりませんので、どうなるかが未定であります。
はんこ屋さん組合のイベントや展覧会は、秋にありますが暗雲が立ち込めています。
イベントや企画、行事としての中止は、1年の我慢、ステイホームなのかも知れませんが、技術継承としてそれを見た時、一抹の不安を抱くのは私だけでしょうか。
技術は、継続することの意味を職人に考えさせてくれます。
手が止まり、空間が出来て、その次は積み重ねの上から始まるのではなく、一からになります。
手は記憶を忘れます。
1年何もしないと、始めた時と同じ状態になります。
再来年の令和4年1月には、技能検定があります。
120名の受検者を集めないと、技能検定から印章が除外されます。
今のままでは、到底集まらない数字です。

技術という分野は、経営者からすると鏡の裏であろうと推測します。
鏡の裏にも春は来ています。
コロナ影響での景気の低迷が、はんこ屋さんにも平等に襲いかかってきています。
大手の大きなハンコ屋さんは、従業員をたくさん抱えていて大変だという声を聞きますが、小さな父ちゃん母ちゃん商売のお店でも同じだと私は思います。
大手の経営者にとっての技術は、鏡の裏、裏方作業かも知れませんが、私は鏡の裏の小さな父ちゃん母ちゃんの職人型のはんこ屋さんを応援致します。
自分の所がそうだからです。
大手の経営者が、ご自分の従業員の事を考えるのは当然です。
そういう大手の経営者は、職人のきちんとした仕事(下請け)を切り、内部製造率を上げるために機械を導入し、パソコン印章やフォント印章という粗悪品の製造と販売を推進されてきました。
今大変だからと言って、どうして私がそのような所の従業員のことを考えなければならないのでしょうか?
それを考えることが印章業を考える事なのでしょうか?
疑問に思います。
それより、コロナ影響で技術の停滞が業界にもたらす影響の方がずーっと大きいように感じます。

posted: 2020年 4月 9日