五月雨と久しぶりの『印章憲章』

五月雨や庭を見ている足の裏
【作者】立川左談次

目や耳が頭の周辺についているから、見聞きしたことをすぐに考え込んでしまう。
足の裏についていたら、脳に届くまで少し時間を必要として、くよくよしたりめげることも無く精神的によいかなと思う。
聞きたくもなく見たくも無くなれば、立ち上がり足の裏を地面につければよいのだから・・・便利だ。

久しぶりに『印章憲章』を眺めてみた。
世間の印章への風当たりもそうだが、業界内の風当たりも強くなってきた。
普段、技術、技術と言っているので、あまり気持ちがいかない項目2を意識した。
「2.印章業者は、社会の秩序と最もつながる業であることを確認すべきである。そして社会人として、技能及び営業に於いても範となるべき意欲と理念を持たなければならない。」

「社会の秩序と最もつながる業」とするとこらへんが、思いあがっているようにも感じるが、そうだとすると、今の事態をどう解釈すればよいのだろうか。
社会の秩序は、印章を社会悪とまではいかないが、邪魔者扱いしていることは確かだ。
言い換えれば、技能及び営業に於いて範となるべき意欲に欠け、理念をもたない印章店が多くなってしまったということが社会の秩序をおかしくしてしまったのだろうか。
私は、既に印章が自らの力で冬の時代に入ったといっているのだが、副題(スローガン)の言葉を借りれば、印章の権威は失われてしまった。
ただ、それは『印章憲章』に基づき、きちんとした印章業を営もうとするベクトルを見失ってしまっているとも考える。
少し優しい言葉にしてしまったが、要は、『印章憲章』を目も耳もついていない足の裏で眺めているに違いないとさえ考えてしまう。
当たり前の、きちんとした印章店がなくなっていて、新しい?印章店?が増えたのだから『印章憲章』は破棄した方が、時代の趨勢に合っているように感じます。
私自身も、『印章憲章』という在り方を今までのベクトルとは、上記と違う意味で変えていきたいと強く考えるようになった。
その在り方を模索していかないと、時々本当に嫌になり、投げ出したくなる。
『印章憲章』と今の印章店の現状と、私の新しいベクトルを時々お話していこうと考えている。
文字にすることにより、次が見えてくる。
http://www.inshou.or.jp/inshou/about/inshoukensyo.html

posted: 2020年 5月 16日