三田村印章店がTシャツを販売する理由(その3)
【三田村印章店がTシャツを販売する理由(その3)】
昨日は、印章業界にとって大きな転換点を国から与えられた日になると思います。
昨日の夕刊から今日の朝刊に欠けて掲載された毎日新聞の記事(写真)のように、明確に「脱はんこ」を掲げるクラウドサービスという商売が「約束」の在り方をめぐって熾烈な争いが始まる事だろうと推測されます。
古来、約束や契約という人と人との関係を司る考え方を「おしで」として日本人は重んじてきました。
形に残すために、伝来の璽を取り入れ、印章という文化を定着させてきました。
印章は、手続きを煩雑にして、とても面倒な代物であります。
それは民主主義と同様で、安全性を高める確認の為の手続きの連続から成立します。
手続きを簡素化して利便性を高くすると、ビジネスはスピーディーにやり易くなると思いますが、肝心の人と人との約束という考え方が等閑になるように私は感じます。
それは、民主主義が形骸化した時と同じような状態になると推察致しますが、今の日本がそうだから、経済面においてもそういう状況が平気にまかり通るようになったという事も言えるのかも知れません。
テレビで、コロナ不況のあおりをくらい、伝統産業が廃業に追い込まれています。
廃業となる伝統技術は、それが最後かも知れません。
そうだとすると、廃業は技術の終焉を意味することとなります。
そういう目に見えない技術の終焉をこの国は応援しているように感じます。
それへの叫びとして、印章技術の私の在り方を叫びとして表現させていただいたのが、今回の「HANK KIAN」®の企画となりました。
印影のデザインだけが残るということは、あり得ません。
うつくしい印影は、きちんとした技術の継承があるから息をしているのです。
posted: 2020年 9月 5日