夢が膨らんだ展示会

9日から昨日11日までの三日間、三田村印章店は臨時休業して、インテックス大阪で「第1回国際雑貨EXPO関西」に出展していました。

この展示会には大阪市魅力発信事業の参加グループの一員としての出展となりました。

来場者は、雑貨店、百貨店・量販店、セレクトショップ、インテリアショップ、書店・文具店、輸入商・卸のバイヤーやオーナーの方です。

印章業からは、当店一件だけの出展でありました。

多くのバイヤーやオーナーの方と商談できたことは、「はんこやが作ったユニークなTシャツ!HNKO KIAN®」の未来を膨らませることが出来ました。

お話下さった全ての方に感謝申し上げます。

また、私が不在であった10日にブースに顔を見せてくれました印章業界の方々にも心よりお礼申し上げます。

私がTシャツを販売する理由については、3回にわたりこの場でお話させていただきましたが、当日は同じ内容をご来場の方々にお話していました。

コロナショックにより印章業界は更に斜陽の道を歩んでいます。

それ以前から、継承現場を軽視し技術者の養成を怠ってきた業界で、今後に技術の進歩や進化、深化は望めない状態どころか、滅びゆく技術として位置づけられることとなります。

真面目な職人が長年培ってきた技術で得た印章文字を丸や四角の中にバランスよくレイアウトし、各自の個性を以ってデザイン化できる能力は、おそらく廃れていく事と想像いたします。

今までの修業の苦労は並大抵の事ではありません。

展示会でお話させて頂いた看板屋さんの二代目さんは、なんとかして親父の技術を残したいと言われていました。

看板屋さんのお仕事も、そのほとんどが今の印章業界と同様にパソコン機能や文字フォントを使用して作製されています。

その看板屋さんのお父様は、一つの看板を手で書いた全体的構成の美しさを苦労した修業から会得していかれました。

フォントを並べれば、いとも簡単ですが、それでは良い仕事になりません。

印章業界の仕事も印章文字のフォントを丸の中に機械的に、そして無意志に配置されたものです。

それを10ミリから大きくとも18ミリくらいの丸の中に配置するので、看板屋さん以上にレイアウトやデザイン性に無頓着になります。(彫って有ればOK,捺せればOK)

ですので、Tシャツのように大きな丸に拡大すると、実に滑稽なオモチャのようなデザインとなります。

しかしながら、それを縮小したものを印章として使用しているので、世の中がデジタル化されると無用になり、ポイと簡単に捨てても惜しくない短い棒となってしまうのです。

 

名も無き職人の苦労が報われるように、その一筋の道に向かい、さらなる挑戦を決意した展示会出展となりました。

最後に出展に際して無知無経験の我々夫婦をご指導ご援助頂いた大阪市魅力発信事業(OTEX)のスタッフの皆様と担当の先生方、本当に有難うございました。

今後もご指導ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

 

写真は、OTEXのスタッフに撮影発信されたものをお借りしました。m(__)m

 

posted: 2020年 9月 12日