不要なハンコや無駄なハンコはありません

今日は普通ゴミの日です。

店の前は、ゴミ置き場となっています。

同業者の方に、三田村さんのお店はゴミの前やから、目印になると気休め?を言って頂いたこともありますが、他の日も資源ゴミや容器ゴミ・・・とゴミのない日は日曜日と月曜日だけです。

写真には、既製の認印も写っていますが、これもいずれゴミになるのかなと、つい先日、業界内部の方が言われたことが頭に残りました。

脱ハンコの大きなうねりを作り出した河野大臣の発言ですが、最初は「ハンコを止めろ!」でした。

その後、行政手続きの押印を全て廃止すると言い換えられ、追加で実印などの重要印章は残ります・・・と。

無駄なハンコなど、なに一つもないというのが私の持論で、既製の認印が社会に対して果たしてきた役割は、大きなものがあると思います。

勿論、既製の認印の前提が大量生産であり、同型印である事の前提は否めませんが、安価でありどこでも手に入るという利便性を備えていることは、社会における印章の許容範囲を広げたともいえる商品です。

これを卒業印として社会に出る若い人の餞にすることには反対いたしますが、不要なハンコではないということです。

何度も言いますが、不要なハンコや無駄なハンコはありません。

それをどこに捺すかの指示に合理性を持たせるなら、それを整理すればよいのです。

既製の認印を不要とすることには、大いに反対です。

既製の認印には、それなりの役割があるのです。

それで、ご飯を食べている業者もおられるのです。

簡単にゴミにしないで下さい。

それよりも、既製の認印のような、同型印の危険性のある印章製作と販売の市場をどうにかすることの方が重要な課題だと私は思います。

 

しかし、国策である脱ハンコの流れは強くなっています。

全国の印章店は、大きな風評被害にさらされています。

そういうなかでも、実用印章の必要事項は多々あります。

ゴミとなるであろう既製の認印も、現在はまだ必要です。

消費者の皆様が、印章をお買い求めになる際の留意点は、本物を選ぶことです。

既製の認印ばかり、お買い求めになるよりも、本物の印章をお持ちになり、美しい気品を感じさせられる印影のデザイン力を自らの目でお探しになり、それを発見された喜びと共に、その印章を大切にされれば、それを忘れて既製の認印を出先で購入するという事は無くなります。

何故なら、自分のうつくしい印章を自慢し、美をシェアしたくなると思うからです。

在る程度のお値段がしますし、作製期間も長いかもしれませんが、きちんと具備すれば、認印、銀行印、実印、具備された以上にはいらない道具であります。

そして、大切に。

そして、次の世代に。

これ以上のゴミを次世代に残すことなく。

 

我々印章業者は、本物を消費者の皆様にご提供できるように、本物の技術を大切に、それを積極的に発信して、本物嗜好の時代を作り出していく事が求められていると強く思います。

本物は生き残る。

本物しか生き残れない。

そういう時代を作りましょう!

posted: 2020年 10月 30日