印章の観察とマッチング

朝の職人きびきびうごき百日草

【作者】植村通草

印章の観察は、印面と印顆に区分されます。

印面に向かい、持てる技術を発揮するのが職人であります。

唯一無二を掲げる職人なくして印章は成立しないのです。

全国の印章に関わるきちんとした職人が激減しています。

何故そうなったのかには、理由がありますが、敢えて触れないことにします。

結論として、きちんとした職人は激減しました。

先達ての技能検定では、業界諸氏の努力により多くの技能士が誕生しました。

そのことは、技能検定が後に続けたので喜ばしい事だと思います。

誕生した技能士や今までの有資格者としての技能士の方も、技術を向上させるために日々精進しているかというと、競技会などの展覧会への出品状況、技術講習会や研究会などの様相を見ますと、そうとも言えないのが実情ではないかなと思います。

勿論、技術向上に向けて必死に立ち向かっている人もおられますが、非常に少なくなってきているのが現状で、教える人も教わる人も両方の所でそうかなと思います。

行政サイドの押印廃止以降、使用者にとっての印章の価値は更に低下しているように私は感じています。

今必要だから購入される方ときちんとした印章を求める方とに消費の在り方が変わってきているように思います。

今必要な人は、きちんとしたものは要らない。

早く、安いもの(印章)がいり、直ぐに使用するので、役所や銀行に登録できれば印面の彫刻にはあまり興味がありません。

何故、そういう方が多くなったのかにも理由があると思います。

きちんとした印章を探されている方も多いのですが、職人の激減のために、きちんとした印章とのマッチングが出来ていません。

それにも理由があります。

人生をかけて、さらに言うと、命を懸けて技術鍛錬に向き合ってきたきちんとした職人さんとのマッチングがされていない。

きちんとした印章(#本物の印鑑)とは何なのか。

きちんとした職人さんは誰なのか。どこにいるのか。

そういう汗と先人からの労苦を受け継ぐ継承者はどこでどういう仕事をして進化(深化)しているのか・・・それを発信することが今、一番求められています。

 

最後にもう一度・・・

印章の観察は、印面と印顆に区分されます。

posted: 2022年 7月 14日