最高の道具・・・手

こんにちは。
今日は、成人の日です。
お蔭様で休日出勤で、忙しくさせて頂いております。
成人を迎えた日本の若い人に、印章のみならず、手仕事の品物や道具を持ってほしいと心から思います。
それは、自らに共鳴した物であり、一生を通して友とも言える価値あるものとなるでしょう。
コンピューターは、一律なるものを大量につくる大きな塊であり、魂ではありません。
魂なき物を持って、すぐに飽きたり捨てたりゴミとすることのなきよう切にお祈り申し上げます。

以下、柳宗悦著『手仕事の日本』よりコピペ致します。
「前略・・・なぜ機械仕事と共に手仕事が必要なのでありましょうか。機械に依よらなければ出来ない品物があると共に、機械では生れないものが数々あるわけであります。凡すべてを機械に任せてしまうと、第一に国民的な特色あるものが乏しくなってきます。機械は世界のものを共通にしてしまう傾きがあります。それに残念なことに、機械はとかく利得のために用いられるので、出来る品物が粗末になりがちであります。それに人間が機械に使われてしまうためか、働く人からとかく悦よろこびを奪ってしまいます。こういうことが禍わざわいして、機械製品には良いものが少くなってきました。これらの欠点を補うためには、どうしても手仕事が守られねばなりません。その優れた点は多くの場合民族的な特色が濃く現れてくることと、品物が手堅く親切に作られることとであります。そこには自由と責任とが保たれます、そのため仕事に悦びが伴ったり、また新しいものを創る力が現れたりします。それ故手仕事を最も人間的な仕事と見てよいでありましょう。ここにその最も大きな特性があると思われます。仮りにこういう人間的な働きがなくなったら、この世に美しいものは、どんなに少くなって来るでありましょう。各国で機械の発達を計ると共に、手仕事を大切にするのは、当然な理由があるといわねばなりません。西洋では「手で作ったもの」というと直ちに「良い品」を意味するようにさえなってきました。人間の手には信頼すべき性質が宿ります。・・・後略」

posted: 2019年 1月 14日