コロナ禍ということで悔いを残したくないので発信します

「大勢の犠牲者が発生するなか不謹慎ですがこの様な未曾有の災害時こそ本物が残る、試される絶好の機会であると思います。不要不急の高額商品、安っぽい知ったかぶりのメディア、マスクやトイペの買い占め等々人間の普段からの欲望、弱い部分、みっともない面が洗い出されている気もします。印章もしかり、能率や商業主義に陥り印章本来の役目である自分の信念を押すのだという心を我々は忘却していたのではと考えます。在宅という現代人にとって贅沢な時間が今あるのですから日本の美学や伝統を考えられれば良いのかなと思います。」

上記文章は、アメブロにいただいたコメントです。
昨日の岡江久美子さんの訃報は、同年代の私にとってもショックでありました。
命より大切なものはないと思います。
しかし、言わなければ悔いを残してしまうと一言物申したいと思います。

コロナ収束後の在り方についての話が出始めています。
経済の後退は容易に想像できます。
6月には、製造業の倒産が増えることもニュースとなりました。
政治や文化、暮らしや人の考え方は、私にはどうなるのか分かりませんが、
手技に関しては、確実に後退していくと思います。

印章技術は後退するどころか、技術継承という繋がりが断たれるような気がしてなりません。
技術を学ぶ姿勢にもいろいろあります。
ほおっておいても、机に向かい、印面に向かい、ひたすら技術に打ち込む人
親に言われて、仕方がなく技術講習会に来ている人
技術展覧会や競技会の作品作りを一生懸命される方
大臣賞や金賞よりも普段の仕事に精魂込めて向き合う人
展覧会や競技会の作品作りは懸命に励むが、パソコン印章やフォント印章に毛の生えたオモチャをお客様に渡している人
独学でされているが暗闇から抜け出せない人
近所の名人に教えて頂いていたけれど、名人が亡くなり、途方に暮れている人

私の周りを見渡しても、大競技会の審査は6月に延期になりました。
できるのかな?と言われる方もおられます。
6月には、どうなっているかは私には分かりません。
しかし、やるという気持ちが先行していることが大切だと思いますし、それを尊重して、収束をいのるばかりです。
現在、大阪の技術講習会は休講状態です。
私は急遽、代替案を出しました。
通信添削です。

技術に向かう姿勢は様々です。
どうなるかは、私には分かりませんが、通信添削は技術に正直な人にとっては勉強になると思いますが、それ以外の人をアナログの技術講習会のように許容はしないと、今までの経験から想像します。
印章業の技術関連の事が、おそらくドンドンと中止となる事でしょう。
それについて代替案がないなら、もうそれで終わりです。
代替案がある場合でも大きく後退していくことだろうと推測します。

技能検定の対策については、まだどこからも代替案も含めたものも提起されていません。
120名の受検者が集まらなく、技能検定を手放すこととなるのは、おそらく間違いがないでしょう。
そんなことを何度も言ってとお叱りがあるのかもしれませんが、何ら解答があるわけでも、代替案が示されているわけでもありません。
その代替案がなにも提起されない
ですので、空白期となっています。
3か月くらいとか1年くらいとか、1回くらいとかの空白はたいしたことはないとするのは、日頃より技術継承に真面目に取り組んでいる業界の言うことです。
初心者や、中習者にとっては尚更、少しの空白が技術を人を元に戻してしまいます。元の木阿弥というやつです。
技能検定に向けては、尚更一日一日が大切になります。
令和3年度後期実施日の令和4年1月までは日がありません。
使用者の見識も今以上にドンドンと低下していきます。

リモートワークの邪魔者扱いにされている印章ですが、業界関係者は裏では法的には云々とかの論を述べられていますが、公的にはそれに対して何も発信されていません。
一部文具メーカーさんがデジタル印鑑?をアピールされているのみ・・・それもよくわからない論理ですね。
リモートワークの邪魔者という認識が先行し、人の意識の落ちているというのには、それだけ印章の価値が下がっているという事の表れではないでしょうか。
アメブロの私の記事に頂いたコメントは、「信証の具」の重要性を説いていただいておりますが、そういう方が少なくなった原因が、業界側の商売の姿勢と技術に対しての軽視が根本にあるという事を言っておきたいと強く思います。
随分と考えましたが、今ここで言わないと悔いを残すと思い発信しました。

posted: 2020年 4月 24日