【悲しみ】と【嬉しさ】

出会ひの握力別れの握力秋始まる

【作者】今井 聖

 

自分が全てをかけて打ち込んできた事が、明日からもういらないと言われた時の【悲しみ】

古臭い技術では時流に合わないと、パソコンや機械でできるから、あなたの技術は用無しですと言われ続けていた技術には、驚くべき価値が内在していて、他に真似のできない物であります。スゴイですと評価された【嬉しさ】

 

【悲しみ】と【嬉しさ】、あなたはどちらを選択しますか?

 

印章彫刻職人の技術は、きちんとした文字をその解釈を歪めることなく、如何に上手く印面に表現するかにつきます。

文字が良いだけではダメですし、デザイン性があるだけでもダメです。

いくらデザイン性があるように見えても、登録できない印章や、長い間の捺印行為に耐えることのできない作者本位のデザインでは、きちんとした印章とは言えません。

印章とは、本来その実用的なるデザイン性が問われる道具であるのです。

ところが、その印面から目を背けるようなことを業界人は多岐にわたりされてきて、それが通じなくなると、他の物を販売し始める。

ゴム印や名刺のみでなく、文字や印刷関連からとウエアープリントや名入れ事業にまで手を伸ばし始める。

それはそれで、頑張っておられるのかも知れませんが、肝心の印章技術をさておいてどころか、それを揶揄されるととても【悲しみ】を感じてしまいます。

このコロナ禍では、良い悪いは別にして、マスクやフェイスガードまで販売を始めているお店もあります。

 

印章は印面が命で、そのデザイン性が求められるとする当たり前の事を当たり前に技術継承するのではなく、コンピューター彫刻機が開発されると、業界外から参入され、パソコン機能を利用してのデザイナーによるデザインに印面を奪われている市場です。

本当の印面デザインは、長年の手での彫刻が醸し出す品性高き篆書の実用としてのオリジナル性を知る職人の手にありはずです。

それはフォントのみで作製されていては分からない高見であります。

世界は、その高見のてっぺんのみを切り取り評価されます。

その高見を今まで見せて来なかった後悔を教訓にして、「HANKO KIAN®」がこの秋始動致します。

私と家内(父ちゃん母ちゃん商売)で【嬉しさ】を実感できる活動を展開していきます。

どうか、宜しくお願い申し上げます。

posted: 2020年 9月 17日