デジタルと手仕事
デジタルと手仕事・・・
印章は手仕事だから、世界に一つしかない印面を持つ唯一無二性が維持されていると言われています。
印章とデジタルは、共存しましょうというのは、デジタル側の論理のはず。
職人側にもそれを受け入れる者がいるなら、それはもはや職人ではありません。
手仕事はアナログです。
一部に機械を使うことがあっても、デジタル側の論理とはまた違う世界であります。
デジタルと印章が共存するといわれるなら、
デジタルと手仕事や工芸と呼ばれるものが共存するはずです。
工芸家が、デジタル工芸と言っているのを聞いたことがありません。
当たり前です。
対局軸にあるからです。
デジタルが悪であると言っているのではありません。
利便性や合理性、早やさを求めるなら、デジタルの方がよいのです。
機械彫刻と手彫り・・・手彫り職人が機械に負けるかと、機械より早く彫れると言われた職人がいます。
それとは次元が違うくらい早いのがデジタルの世界です。
パソコンのキーを打つだけで完了です。
そういう事が求められる事象や時、場合もある事だと思います。
しかし、印章は違います。
その住み分けを本来きちんとすれば、良かったのだと思います。
しかし、それでは商売にならないと踏んだのが、デジタル側だと思います。
また、印刀や仕上げ刀を砥ぐ作業を日常の仕事としている印章職人が激減し、パソコンの前に座り印章を作っている人の方が、はるかに多くなると、簡単にデジタル側に巻き込まれてしまったのだと思います。
それでいく塊と、印章の工芸的要素、即ち手を道具と感じられる人との分離はもう目の前です。
職人の道徳として守られてきた唯一無二は、その職人がいなくなったデジタルの世界で守られるのでしょうか?
2年前のブログと合わせてお読み下さい。
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posted: 2021年 1月 14日