無一物

雨のふる日はあはれなり良寛坊

【作者】良 寛

 

春の雨は、やわらかな印象を受けますが、このゴールデンウィーク前の春雨は、コロナ禍であり、重く暗く感じてしまいます。

「無一物」を信条に74年を生きた良寛さんも雨の降る日はあはれを感じていたのでしょうか。

古来、禅の世界では、「本来無一物」や「無一物中 無尽蔵(むじんぞう) 花有(あ)り 月有り 楼台(ろうだい)有り」と言われている。

良寛さんは、物だけでなく、地位も名誉も、そもそも自分自身をも、自分の持ち物にはしなかった。

物であれ心であれ、執着することをまったく捨てはて、手放していたのである。

雨を見て、重さや暗さを感じるのは、きっと自分の中に何か執着心があるからだと思います。

このままでは、印章はどうなるのだろうか・・・とか、技能検定は大丈夫だろうか・・・とか、それはなるようにしかならないのは、当たり前なのであるが、それでもこの雨を重く暗く感じる自分の心にも素直になりたいと思います。

posted: 2021年 4月 28日