『印章憲章』を神棚から降ろしてガイダンス化を

一足の石の高きに登りけり

【作者】高浜虚子

 

朝刊に尾身先生の閉会中審査での発言がありました。

‟コロナ「あと2~3年」“

「正確には神のみぞ知ることだが、ワクチンや薬があるインフルエンザのように、不安感がなくなるには2~3年かかるのではないか」

感染者数が減ってきているので、なんとなくコロナ以降について語られている今日この頃ですが、周りを見ても安易な方向に流されないように、気持ちを引き締めないといけないと思っています。

国会においてもそうですが、あらゆる事象において、現場を常に軽視されがちです。

しかしながら、動いているのは現場で、新しい在り方を作っていくのも現場です。

よくお話する『印章憲章』は、印章業界の理想形であり憲法と言って過言ではありません。

しかしながら現実の市場は、それに反する状態が横行してフェイク印章が氾濫しております。

それへの対応をせずして、いくら『印章憲章』を掲げても「絵に描いた餅」であり、具体的なる方策が見いだせないままに、昨年の「押印廃止」の河野発言に繋がりました。(総裁選での知名度がそれにより上がったのは事実です。)

そして、印章の価値は低落の一途を辿っています。

印章の製作現場を変えていくには、印章技術の継承現場を変えていかねばなりません。

頃は常日頃より私が喧しく言っていることで、皆さん耳にタコが出来ているかもしれません。

そして今、技術の継承現場は疲弊しております。

その理由は、技術を『印章憲章』とともに神棚に置き、現実の製作現場とは大きく乖離してしまっているという事だと思います。

技能検定2級の対策講座が各地で開催されて、私も愛知県に呼んで頂いておりますが、こう言う手仕上げの講習や将来的にはパソコンを使用しての文字レイアウト講習などもしていかないと、製作現場とかけ離れた講習会の在り方では、技術屋も育たなくなり、新しい芽が摘み取られて行くことになります。

それは私の理想でありスピリットのほとばしりからの発言ですが、これも現実的には受け入れられてきませんでした。

きっと、これからも難しい事だろうと思います。

今日の朝ドラ『おかえりモネ』のなかで、一般の人から天気の情報を集めるアプリの運用を始めだした朝岡さんが、「私は私の方法でも発信したいと考えています。」ととある場面で言われました。(朝ドラ見ていない人ごめんなさい)

私も今強くそういう気持ちになっています。

そして、神棚に祭り上げられている『印章憲章』と先人よりの技術を製作現場での身近な指針に引き寄せていきたい。

 

posted: 2021年 9月 16日