精神と感覚の世界を結ぶ媒介
音楽とは精神と感覚の世界を結ぶ媒介のようなものである。
【ベートーヴェンの名言】
雨降りの大阪です。
朝ドラ『ちむどんどん』、面白くなってきましたね。
本題とは違うのだろうけれど、山原高校の下地響子先生がいいですね。
ドラマ上は、歌子の音楽的才能を見出す役割を担っているのだろうが、音楽のことしか頭にない・・・そういう先生です。
石垣島に転勤になる先生は、最後に歌子に言いました。
・・・体が弱く運動は出来ない、勉強もそこそこ、これからあなたの周りの人はあなたにいろんなことを言うだろう、頑張りなさいとかもっと一生懸命になりなさいとか、しかし、そんなことは気にすることはありません。
どうするかは、あなたが決めればよい、あなたの人生だからです。
そういうときでも、あなたは歌い続けなさい。聞いてくれる人が1人もいなくても、森や虫たちに向かって歌いなさい。・・・と(うら覚えなので正確ではありません)
冒頭のベートーヴェンの名言も下地先生の紹介でした。
自分の中にあるものに気づき、それを最も有効に使用できるのは、自分自身であります。
印章彫刻の勉強の仕方に、名人名工の彫った印影を真似して、その通りに彫るという勉強方法があります。
その時、何も考えずに彫っていたのでは勉強にならないどころか、労あって効なしであります。
名人名工が何故そのような文字形状を選択したのか、どういう意図を持ちそのレイアウトを行ったのかを全神経を集中して模倣することが大切です。
さらに言うなら、名人名工の線は、自分では決して出せないことを認識することが、本来の目的であり、最も重要なことです。
自分の想い(字法・章法)があるから、自分の線が表現(刀法)できるのです。
人の物まねをしていて、自分の線は決して出せないし見つからないということを認識することが大切なのです。
それを理解できなくて、名人名工の印稿(デザイン案)を駆使しても、そこに自分の線はありません。
自分の線を見つける旅は、職人生命をかけた一生の旅です。
印稿が数学的理論の世界なら、彫刻は感覚の世界であります。
それを精神世界まで結びつける力は自分自身の中にしか見いだせないのです。
ガンバレ!歌子。
自分の中にある物を音楽で引きだしてください。
posted: 2022年 5月 12日