文化は人が創り出すもの
昨日は、何もしない日でした。
そういうポカンとした休日も大切ですね。
文化を創り出しているのは、それを継承してきた人であります。
それを作りだす人がおり、それを発信し届ける人がおり、それを享受して使用する人がいる。
その連綿とした循環があるから、それが積み重なって文化となる。
博物館や美術館にある物だけが文化ではない。
印章もそうです。
博物館にある金印、高僧や画家の落款印、「天下布武」などの戦国武将のはんこなどは、価値あるものだと思います。
しかし、そこに価値を見つける事ができるのは、日常使用されている実用の印章のお蔭であります。
実印や銀行印が重要な印章であることは、間違いがないことです。
それは、日常に認印を押捺するという行為が継承されて来ているので、そういう意識が働いていると私は思います。
昨日、購入し拾い読みした土井善晴さんの『一汁一菜で良いという提案』の中から共感した文章をご紹介させて頂きます。
「変化を拒むのではありません。思いつきの仕事から文化は生まれません。今、和食は絶滅危惧種だと言われているように、日本の家庭料理は失われる傾向にあります。食文化は日本人の心を作るもので、それはアイデンティティとなり、自信や信頼を生みます。文化は大切にするべきもので、変化には慎重であるべきでしょう。和食として寿司や懐石が残ったとしても、家庭料理を失った食文化は、薄っぺらいものです。家庭料理は人間の力です。」
今日も印面に向かえることに感謝です。
posted: 2022年 5月 23日