本当の商売人とは

繁忙期なのに、毎朝うるさいというお声もありますが、この時期だからこそ言っておかないといけないこともあります。
以前は、わりと商業主義とモノづくりを対立軸のように考えていましたが、印章業においては、それで突っ走ると業は滅びてなくなります。
印章業が滅びてなくなるということは、実用印章が社会から抹殺されるということです。
篆刻などの芸術文化としての印章は残るのでしょうか?
それも日本の篆刻界に果たしてきた印章業界の役割を考えると、その文化さえ危ういと私は思います。
本当の商売人なら、印章の根幹である「世に一つの印章」という商品をつくる技術を大切に守るべきです。
そうしないと、「おしで」としての思想は日本人の中に残っても、印章に未来はありません。
いや、印章無き世には、「おしで」としての思想さえ日本人は見失うかもしれません。
印章業者の役割は大きいのです。

posted: 2019年 4月 12日