今年もお世話になりました。

今年も残すところ数日となりました。

今年は、気が付けばコロナの感染が拡大し、短い期間で三つもの波を世界的に迎えています。

それに伴い、今まで隠されていたものが表面化して来ています。

働き方もそうですし、そもそも働くとは・・・とか、地球環境の問題などもそうです。

昨夜の19回目の「ナウシカ」もコロナ禍で視聴すると、新鮮な問題提起があるようにも感じられました。

印章は、コロナ禍以前から、製作現場と継承現場の在り方から、冬の時代と定義していましたが、コロナの感染拡大に相俟って、脱ハンコ騒動が顕在化して、来年には氷河期に突入することと思います。

印章自体は、数十年後か百年後かは存じませんが、姿を変えて蘇りを果たすと思います。

人と人との約束を司る日本古来の「おしで」という思想は、そうやすやすと変容するものでありませんし、印章という具体物においても、作製方法や在り方が時代に合わせて変化を見せてきました。

今ある実用印章の作製技術は、大陸文化と西洋技術の融合でなされたものです。予測される押印機会の減少により、それは消滅していく事だろうと、製作現場と継承現場を見ていて、或いは業界人の意識の在り方から、そのように感じるところであります。

しかし印章彫刻技術を分化して、その利用方法を模索することは出来ます。

新たな分野への橋渡しになるかも知れませんし、伝統技術を内在する仕事や工芸、技芸、芸術、美術との関係を持つことにより生き抜く糧を見出したいと思っています。

今年の最後の仕事として、大きなお寺の法要儀式の印章を作製させて頂く機会に恵まれました。

まだ、もう少しこのような仕事は、私が仕事ができる間にはあるでしょうし、きちんとした印章や印章に美を求められるお客様と共に、実印や銀行印、法人印の作製に精を出したと思っています。

来年も頑張る所存です。

宜しくお付き合い賜りますように、お願い申し上げます。

 

「姿のうつくしい印章」をお届けする三田村印章店・・・

今年は、28日(月)までの営業とさせて頂きます。

来年は、1月5日(火)を仕事初めと致します。

posted: 2020年 12月 26日