継承の輪の広がり

夕月に七月の蝶のぼりけり

【作者】原 石鼎

今週半ばには、もう7月なのですね。

 

昨日は、愛知県印章会館に行ってきました。

とても立派な会館で、2階の会議室も広く、20名の参加者も間隔を取りながら技能検定の対策講座が出来ました。

大阪の講習会に講習生として来られているTaさんとToさんに講師としてお声をかけて頂いた時には、集まっても4~5人だろうと思っていました。

地元の問屋さんらの奮闘もあり、20名もの方が欠席なく集まって頂きました。

多くの方々が、普段はパソコンでハンコをこしらえており、課題の一つの印稿(角印に9文字をレイアウトしていく)を手で書いて頂くと、おそらく自分が思っていたよりも時間がかかり、上手く書けない・・・パソコンの画面は自動的に篆書に置き換わり、文字レイアウトされて目の前に表れます。

いざ、手で書くと24ミリ角の倍寸である48ミリ角に、どのくらいの太さにしたらよいのか、隣の文字との距離はどのくらいか・・・常に何気なくされている仕事が手に連動してこないし、頭でイメージできていません。

それは殆どの方がそうです。

 

私以外に、7名の地元の一級技能士である講師の先生が的確に指導していきます。

少しずつではありますが、各自良くなり、方向が見いだせたのではないかと思います。

この7名の講師の方は、先日お話させた頂いた解散になりました神奈川の印章訓練校の卒業生の方もいます。

また、お誘い頂いた大阪の技術講習会の現役講習生もいます。

大阪の大きな下職専門のS社出身の方もいます。

先輩や先生方に教えて頂き1級技能士になれた・・・その恩返しをしたいという共通の思いが、お話をしているとありました。

それは、継承の輪の広がりであります。

参加者のみなさまも、現在の仕事をより良い物にしていきたい(きちんとしたハンコをつくりたい)、そして資格を取って仕事の励みにして、商売を盛り立てたいという強い気持を持っておられます。

みなさん、真剣で一生懸命取り組んでいただいておりました。

その気持ちに応えられるように、私も頑張りたいと強く思いました。

一時期、パフォーマンスや掛け声だけの技能検定100名受検(来年の検定で100名の受検者がいないと廃止になる)に対しての対策をみていて、諦めかけていた背中を後輩たちや、昨日の参加者の熱意に押されて、自分のできる事をやり切ろうと決意致しました。

 

次は、7月25日(日)です。

昨日は、東京でも1級の技能検定対策講習をされていました。

動きが活発になり、継承の輪が広がってきています。

posted: 2021年 6月 28日