現場にいかせる技術とは?

少し角度は違うのですが、根が同じようなご相談を同業2者から受けました。

それは、技術研鑽と現在の仕事とのギャップという大きな命題でした。

本来、自分の到達度の確認や作品発表の場としての大印展(大阪府印章業協同組合主催)や技術大競技会(全印協主催)であるはずのものが、全体的にも揺らいでいるし、各出品者の側でも明確に自己の中に位置づけられなくなってきていると感じました。

各相談者のプライベートなことなので、相談内容には触れません。

全体的な揺らぎについてお話しをしたいと思います。

以前、大印展に印相書体をだせという無理厄介な提案のお話しをしたことがあるとお思いますが、業界内の非出品者の見方は、オリンピックではありませんが、金・銀・銅・・・いわゆる賞レースを眺めるものです。

その書風が偏っているだとか、上位に入賞しないと意味がないというものです。

その野次馬的見方に大いに出品者も振り回され、お客様により良い物をご提供するための自らの技術の研鑽の位置づけを見失う方が多いようです。

出品者が入賞したからよかったとか、金には手が届かなかったというところのみに目が行くと、自己の技術研鑽が止まります。

これは、私も通ってきた道なのでお話しできるのですが、金をとれば、最高賞をとれば、その思考では目標が無くなり、何か勘違いをして日本一みたいな想いに囚われてしまいます。

自分も陥りかけましたし、周りのあおりもありますし、そういう方を多く見てきました。

技術は、そこでストップです。

再度、全体的に技術大競技会と大印展の位置づけをきちんと業界を挙げて公益事業としての位置づけも含めてし直す必要が迫られているような気がします。

全国に点在している技術講習会や勉強会、訓練校の発表の場としての連携と位置づけを明確化することが今大いに求められて、それが再度技術盛行のキッカケとなればと考えます。

そして消費者に少しでも良い印章をご提供できるようになれば、これ幸いです。

 

朝から長文を最後までお読み下さり、有難うございました。

posted: 2014年 3月 19日