強い工芸的な意思・・・その5

NHKの民藝を特集された番組で、松本の「ちきりや工芸店」の店主インタビューで、共感するところがありました。

何回かお話しているかもしれませんが、アナウンサーが「お客様にどんなアドバイスをしますか?」という問いに、店主は「お客さまの直感で見て選んでいただきます。いろんな情報はいらないんです。お客様が良いと思われたものが良いのです。」と・・・。

その後、松本に立ち寄った時に、「ちきりや工芸店」と松本民藝館に行きました。

 

「美しいものが美しい」という丸山太郎の直筆の書には、その直観の大切さを教えてくれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今初めて見る」という思いで向き合うこと。

偏見を持たず謙虚な姿勢で物事を受け入れること。

それが美しいもの、真なるものを見出す極意であると柳宗悦は『物偈』稿本に書いている。

と、「今見マセ イツ見ルモ」芹沢銈介が和紙に型染した作品の説明文にありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

お客様が直観で使用者になる

製作者が違う次元から受け取った感覚を形にして使用者に繋ぐ

それが工芸ではないかなと、「強い工芸的な意思」という表現をしてみました。

少し分かりにくい説明でしたが、私も最近の境地ですので、追って説明出来ればなと思います。

私の3点の完成デザインもこれに起因していたんだなと思えるようになったのも最近のことです。

「美しいものが美しい」と発信するには、製作者のそれなりの覚悟がいるとも思います。

写真の立杭焼のコーヒー茶碗は、「ちきりや工芸店」にて直観で選んだものです。

今も愛用しております。

posted: 2022年 1月 25日